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04 LIFESTYLE

東京発、京都へ!
文化自然遺産を巡るクラシックカーの旅
Rally Nippon 2011

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「日本を元気に!」、そんな合い言葉で昨年秋にラリーニッポン2011が行われました。文化・自然遺産をクラシックカーで巡る4日間というこのイベントも今回で3回目。第1回から何人かのファウストも参加しています(モータージャーナリストである私も)。

そのコンセプトを簡単に紹介すると、クラシックカーに乗って東京から京都まで旅をします。そしてその間、文化・自然遺産を訪れ、日本の伝統美や力強さを再認識するというものです。参加者はもちろん、訪れるクラシックカーを楽しみにしている地元の方も多くいらっしゃいますから、その意味ではちょっとした地域の活性化にも役立っているようですね。それに海外からの参加者もいます。きっとそこにはクラシックカー自体が国際的な文化遺産であるという意味合いも潜んでいるのでしょう。訪れる場所場所でクラシックカーが映えるのは、そんな共通項があるからだと感じます。

From Faust A.G. Channel on [YouTube]

東儀秀樹さんのオンボードカメラ:DAY1のスタートシーン
★【YouTube:FaustA.G.チャンネル】でもご覧いただけます(スマートフォンの方 はこちらがオススメ)

1920年代のブガッティやベントレーから
70年代のBMWやフェラーリまで

各チーム受付時に渡されたゼッケンを貼るなど旅支度を整えます。当日渡されたラリーブックの入念なチェックも必要。スタートはゼッケン順。時間を競うタイムレースではなく、それぞれ決められた時間にスタートしゴールするのがクラシックカーラリーのルール。

トップ写真:2011年10月21日、東京は靖国神社におよそ70台を超えるクラシックカーが集結。これから4日間におよぶ公道ラリーがスタートします。1日目のコースは靖国神社~馬車道~横浜マリンタワー~横浜元町~富士山宮浅間大社~山中湖~箱根とまわります。

さて、今年のラリーニッポンはおよそ70台の美しいクラシックカーが勢揃いしました。それこそ1920年代のブガッティやベントレーから70年代のBMWやフェラーリまで。きっとどの世代のクルマ好きが観ても、楽しめるに違いありません。個人的には57年型のACエースが気になります。

コースは前述したとおり、東京から京都間で、さまざまな“寄り道”をすることでおよそ1000km走ります。具体的には、東京の靖国神社をスタートし、富士山本宮浅間大社、駿府公園、伊勢神宮、多賀大社、比叡山延暦寺などをチェックポイントとし、京都市北区の上賀茂神社にゴールします。先々で歴史ある建造物を眺めるのも素敵なことですが、交通安全祈願も欠かせません。また、これ以外にもチェックポイントは数あるのですが、そこでは評議員の一人でもある雅楽師、東儀秀樹さんの生演奏もあったり。かなり趣のある演出が用意されています。

ちなみに、ラリー自体はタイムレースですが速さを争うものではありません。概ね、自分のゼッケンの予定時刻にチェックポイントへ入りスタンプをもらい、そこで短い距離を決められたタイムちょうどで通過するゲームを行います。これがかなり難しい。また全行程の道案内はスタート時に配られたコマ図だけですから、それを頼りにミスコースせず走り続けるというのも醍醐味です。交差点ひとつ間違えてそのまま走れば、修正するまでにたくさんの時間がかかってしまいますから……。

エントリー車は旧くは1920年代までさかのぼります。戦前の希少なモデルが次々とスタートする様は圧巻。
2011年は東日本大震災の影響で開催も危ぶまれたほど。「がんばろう!日本」を掲げるエントラントもいました。

初日 靖国神社をスタートし箱根へ

戦前のモデルで目についたのはベントレーやジャガー、MGといった英国車勢。エレガントなスタイリングが国の豊かさを反映しているように見えます。

では初日の模様ですが、靖国神社は今回が初のスタート地点となります。これまでは第1回が国立劇場、第2回が赤坂サカスでした。スタート前は各自でクルマのチェックを行ったり、当日配られるグッズから必要なものをピックアップしたりします。なんたってクラシックカーは荷物を積むスペースが少ないので大変。ドライバーとコ・ドライバーの2人×4泊分の荷物はそれなりに場所をとります。で、スタート前にドライバーズミーティングとセレモニー、そして決められた時間とともにゼッケンの若い順からスターティングフラッグが振られていきます。このときが一番の緊張の場面でしょうか。いよいよこれからだな! という瞬間でした。
初日のコースは東京および近郊にお住まいの方にはお馴染みとなります。都心から首都高速で横浜へ。マリンタワーでランチをとって箱根方面へ。宿はハイアットリージェンシー箱根でした。

2日目 フェリーに乗り遅れると大変!

2日目はクラシックカーラリーには珍しい移動手段が用意されていました。それは海上交通のフェリー。伊良湖から鳥羽までそれに乗ります。ここで問題がひとつ。臨時便も用意されていたそうですが、フェリーには出港時刻というものがあります。ミスコースばかりしていると、乗船時間に間に合わない。乗り遅れると4時間のドライブになるというから、参加者全員が必死でした。

1日目の終わりと2日目はあいにくの天気。それでも屋根のあるクルマは問題なく走れますが、もともと屋根のないクルマはけっこう大変! 2日目のコースは、箱根スタートで由比漁港~駿府公園~伊良湖岬~鳥羽とまわりました。

3日目 比叡山延暦寺でランチ
4日目 上賀茂神社へゴールしガラディナー

3日目の朝、鳥羽国際ホテルをスタートしたあとは伊勢神宮、多賀大社を巡って長浜ロイヤルホテルへ。1日目、2日目ともに300km以上走ってきたことを考えると、この日の行程はゆるいものでした。こういう日もありませんと。

2日目の宿は鳥羽。そして一夜明け3日目は早朝から伊勢神宮へ。世界遺産を巡るのもラリーニッポンの醍醐味の一つ。この日は伊勢神宮の後、金剛輪寺~彦根~多賀神社~長浜とまわりました。
ラリーには一般財団法人ラリーニッポンの評議員でもある雅楽師の東儀秀樹さんも参戦。クルマ好きで知られるだけあり、上位の成績を狙うと宣言。
左:個性的なスタイリングもクラシックカーの特徴。安全上の規制がそれほど厳しくない時代だけにデザインの自由度は高かったといえます。写真のポルシェ356もそんな時代の産物。中央・右:神社仏閣といった日本的な建造物や木々とうまい具合に調和するクラシックカー。赤いクルマはMG-A、黒いクルマはメルセデス・ベンツ300SL。
チェックポイントでもあり休憩スポットでもある多賀神社では、東儀秀樹さんのミニコンサートも開かれました。この日は日曜日ということもあり、婚礼の姿も……。
3日目のゴールは琵琶湖畔の長浜です。陽の落ちる時間のクラシックカーもまた乙なもの。数は少ないですが、輸入車に混じって日本車も参加しました。

最終日はさらに行程が少なくゆったりとした気分で走れます。琵琶湖大橋を渡り比叡山延暦寺でランチ。午後2時には上賀茂神社へゴール。4日間無事に走れたことの達成感を得るのはこのときです。みなさんいい顔をしていました。

夜は恒例のガラパーティです。汗まみれだった参加者もそうですが上賀茂神社の宮司さんもブラックタイで登場。昼間と違う顔を見せます。パーティのメインは4日間行ったチェックポイントでのタイム競技の表彰。今回はポルシェ356プリAに乗ったチームが優勝しました。よし、来年は狙うぞ! と今回も思った瞬間です。

左:4日目は琵琶湖畔からスタートし、安土城郭資料館~近江八幡~比叡山、そして上賀茂神社へゴールしました。前日に続いてこの日も天候に恵まれたまま終了しました。 中央:どのチームも安堵感に包まれたゴールの瞬間。4日間のラリーお疲れさまでした。 右:最終日の夜はガラパーティが行われました。上賀茂神社宮司も参加。正確な時間で一定の距離を走るタイムレースの成績発表と表彰、東儀秀樹さんの演奏など楽しい夜の宴は続きます。

ところで気が早いかもしれませんが、ラリーニッポンは2012年も開催されます。日程は2012年11月3~6日。今度は京都スタートで東京ゴールだそうです。ご興味のある方は是非。最新のスポーツカーもいいですが、味わい深いクラシックカーも乙なものです。クルマってこういうもんだったなぁ~、なんて忘れていたことを思い出させてくれます。まぁ、それなりに苦労はありますが、楽しいもんです。

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筆者が駆る1973年式ジャガー Eタイプで巡るラリーニッポン4日間のダイジェ スト。
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Data

ラリーニッポン2011
 http://rallynippon.net/
日程:2011年10月21日~24日
コース:東京(靖国神社)→京都(上賀茂神社)の1都1府6県(東京、神奈川、静岡、山梨、愛知、三重、滋賀、京都)
主催:ラリーニッポン2011実行委員会

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