
Enthusiasm for Classic Cars
Vol.2
オールドポルシェで元気に抜き去る!
Enthusiasm for Classic Cars
Vol.2
オールドポルシェで元気に抜き去る!
クラシックカー、ヴィンテージカー、ヒストリックF1・・・
ロードレースに、サーキットレース、そしてコンクール・・・
ひとくちに「クラシックカー」と言っても、目的も嗜好も百花繚乱で、歴史も伝統も奥深い。このシリーズでは、クラシックカーを愛するファウストな方々にその世界を物語ってもらい、皆さんを深淵なるクラシックカーワールドでのドライブへとお連れする。
第2回は、ファウスト・レーシングチームの1人でもある、オールドポルシェをこよなく愛する崇島精一郎(株式会社Leaps and Bounds代表取締役) をご紹介。
「はじめてのスーパーカー体験ですか? 覚えてますよ、よみうりランドで行われたイベントです。まだ小学生だったと思います。930ターボの助手席に乗せてもらいました。あの加速は忘れられませんね。その体験もあって、フェラーリよりポルシェなんです(笑)」
アイドラーズに出場する崇島の愛車、1972年型 ポルシェ911 RSR仕様。
淡々とオールドポルシェへの愛を語る崇島。
ナロー※にターボにターボカブリオレ・・・・・・、どれもポルシェ好きなら一度は所有したいモデルばかり。そんなラインナップを一度にガレージに並べているのが今回ご登場いただいた崇島さん。建築設計事務所や化粧品メーカーを営む45歳、である。
「クルマが好きで、学生時代からカーオーディオの取り付けのバイトとかをしていました。当時インポーターだったミツワ自動車のデポーで、ポルシェに取り付けしたり。卒業後もしばらくその仕事をしていたんですが、そのうちクルマ販売業を自分で立ち上げました。古物商の免許をとって。やはり走らせる方が好きだったからですかね……」
クルマに触れられる仕事にこだわった崇島さん。そしてようやく1986年、憧れのポルシェを手にする。
「72年型の911Eに乗っていました。EGもいじったRS仕様の。当時としては、とてつもなく速かったですよ(笑)。ですが、湾岸で潰してしまいました。しかも、その事故で生死をさまよって、二ヶ月入院したんです」
思いもよらぬ事故と入院生活から、ポルシェライフをひととき封印。バブルがはじけたこともあり、崇島さんはクルマを趣味の世界にとどめることとした。
そんな生活を昔に引き戻したのは5年前に購入したポルシェ930ターボ。
「気がつけば、入院時に意識不明から目覚めた時に友人から『ポルシェじゃなけりゃ(運転席が完全に潰れて)死んでたよ』と言われた瞬間から、ポルシェの魅力に取り付かれていたんでしょうね」
仕事も順調の折り、再びディープなポルシェワールドにのめり込むこととなる。
「930を買ってから、むかしお世話になった整備工場に足を運ぶようになったんです。そして、走行会にもエントリーするようになりました。 そこで、Vシネマ『ブラックバード』のオーナーとも知り合い、『アイドラーズ』※にハマったんです。一回観に行って、もう夢中になりました。それで、ピンクのターボじゃなくナローで走りたいと思い72年型を手に入れました。クラスチャンピオンになった記念に翌年にはRS仕様をワイドボディのRSR仕様にしたりして(笑)」
※ナロー・・・デビューから73年までの初代ポルシェ911の愛称。当初74年からの“ビッグバンパー”に対してそう呼ばれた。
※アイドラーズ・・・日本アイドラーズクラブのこと。「大人の少年の日」をテーマにカークラブやレーシングチームなどと協力してサーキットイベントを催す団体。 http://www.idlersclub.org/
旧いクルマで新しいクルマを抜く。その魅力に取り憑かれた崇島さん。72年型ナローに80年代の3.2リッターユニットを搭載してそれを実現していった。もてぎサーキットで行われるアイドラーズの12時間耐久レースでは、一昨年10位、昨年2位という成績を残したそうだ。
それに、崇島さんのナローRSRは17インチのアロイホイールを履いている。ここで「えっ?」と思ったポルシェ通の方もいるだろうが、この時代のノーマルサイズはそう、15インチ。実は、この17インチ、アメリカで売られているポルシェ専門誌『エクセレンス』の広告で見つけたもの。16インチのアロイホイールを加工してつくるレーシングショップがあり、そこにオーダーしたという。そのため見た目は純正デザインのまま。それでいてリムが深くレーシーな雰囲気たっぷり。サーキットでも皆不思議そうな顔でじっと見ているとか。
「旧いクルマが元気よく走っているのは、乗るのも観るのも楽しいと思いませんか。見た目もかわいいし(笑)。それにウソみたいな話ですが、サーキットを走るようになって免許がゴールドになったんです。まわりの状況を自然と把握できるようになったのでしょう。今後はカップカーみたいな生粋のレーシングカーも欲しいですね。それぞれで海外のサーキットも走らせたい。そして最終的にはヨーロッパへ移住して、畑仕事しながらナローを走らせたりしたいですね。地元の草レースなんかに出れたら最高でしょう(笑)」
たかしま・せいいちろう
株式会社Leaps and Bounds代表取締役。Jade Automobile Braindsに於いてカスタムメイドのレーシングパーツや車の調査・販売、レースマネジメントなどを行う一方、建築事務takashima architectにて建築デザインなどを手掛ける。「大人の少年の日」をテーマにカークラブやレーシングチームなどと協力してサーキットイベントを催す団体「アイドラーズ」に定期参戦。真夏のもてぎサーキットで行われる12時間耐久レースに1972年型ポルシェ911 RSR仕様で出場し、2008年総合10位、2009年総合2位。2008年アイドラーズスプリント・シリーズチャンピオン(9-2クラス)。その他、78年型ポルシェ911ターボ3.4、89年型ポルシェ911ターボ カブリオレを所有するなどクラシックなポルシェ愛好家。
Text:Tatsuya Kushima
2010/04/01
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