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名橋「日本橋」架橋100周年を記念して
ジャパン・クラシック・オートモービル開催〔後編〕
Japan Classic Automobile 2011

名橋「日本橋」架橋100周年を祝うクラシックカーの祭典「ジャパン・クラシック・オートモービル2011」。後編では、日本橋に集結した歴史的名車の数々を紹介する。

ジャパン・クラシック・オートモービル2011エントリーカー・アルバム

Part1 戦前の名車たち

01

1899 De Dion-Bouton
ド・ディオン・ブートン


フランスのド・ディオン男爵と玩具職人のジョルジュ・ブートンの合作で、初めは蒸気自動車を発明し、その後1893年に3輪自動車を、そして1899年にガソリンエンジンを動力とする本格的な乗用自動車を世界に先駆けて作り上げた。日本自動車博物館にて展示中。

02

1909 La Licorne
ラ・リコルヌ


フランスのラ・リコルヌは自動車販売業から転身、自動車メーカーとして1901年よりルノーやドディオン・ブートンのコンポーネンツを流用した自社ブランドの4輪自動車を製作するようになった。この車両はドディオン・ブートン製エンジンを搭載するモデルだ。

03

1924 Lancia Lambda SeriesⅢ
ランチア ラムダ シリーズⅢ


1922パリ・サロンでデビュー。世界初のモノコックフレームを採用し、技術的に軽量化と高剛性を両立させた。出展者であり日本クラシックカークラブ会長/自動車技術史研究者の小林彰太郎氏は、「今後の生涯たった1台しか乗れないとしたら、これ以外ない」という。

04

1923 Tatra 11 Tourer
タトラ 11 ツアラー


チェコが生んだ進歩的で独創的なモデル。チューブラーバックボーンのシャーシ、空冷の対向式2気筒OHVエンジンは潤滑方式をドライサンプとし、1052ccの排気量から12馬力の最高出力を発生していた。1923年型は走行可能な状態で現存するもっとも古いタトラだ。

05

1924 Bugatti T13 Brescia
ブガッティ T13 ブレシア


1909年に創業したブガッティ初期のスポーツタイプで数々のレースで活躍したモデル。「バナナ型タペット」などに代表されるブレシアにしか見られない特徴的な構造が興味深い。ブレシアとはイタリア北部の町の名前で、T13はここで開催されたレースで勝った。

06

1924 Bentley 3litre
ベントレー 3リッター


1919年に創業したベントレーのファーストモデルで誕生は1921年。この個体は白洲次郎氏がケンブリッジ大学留学中に愛車にしていたというヒストリーをもつ。1924年はベントレーにとって記念すべき年で、第2回ル・マン24時間耐久レースで初めて優勝した年でもある。

07

1926 Bugatti T35C
ブガッティ T35C


タルガ・フローリオ5連覇、モナコGP3連覇、ル・マン2勝という金字塔を打ち立てたブガッティは、もっとも美しい偉大なグランプリカーと呼ばれている。T35Cは、2262ccの直列8気筒SOHCスーパーチャージャー付エンジンを搭載している。

08

1926 Bugatti T37A
ブガッティ T37A


1926年に誕生したT37Aは、グランプリ系T35 のシャーシとボディに1496ccの直列4気筒SOHCスーパーチャージャー付エンジンを搭載しクラブマンスポーツの理想形を追求したモデル。ちなみにT37というモデルもあるが、スーパーチャージャーが装備されていない。

09

1929 Chevrolet International AC
Roadster
シボレー インターナショナル AC ロードスター


1928年12月から発売し、シボレーがフォードを打倒する転機となった6気筒エンジン・モデル。発売当時、"A Six for the Price of a Four."のキャッチフレーズがセンセーショナルを巻き起こした。この個体は希少な純正木製ホイールを装着している。

10

1930 Aston Martin 1-1/2 litre
International
アストン・マーティン 1-1/2リッター インターナショナル


高性能、高品質、堅牢な造りを身上とするアストン・マーティン初期の傑作スポーツカーといわれるモデルで、直列4気筒SOHC1488ccエンジンを搭載している。デビューイヤーは1928年。同年はアストン・マーティンが初めてル・マンに参戦した記念すべき年だった。

11

1930 Rally ABC
ラリー ABC


1930年前後のパリ周辺には、自製のシャシーに既製エンジンを搭載し、2座スポーツカーを安価に提供する小メーカーが多く存在した。このラリーもその一つで、サルムソン製1500cc DOHCを搭載する高性能車だが、当時はブガッティの1/3で買えた。

12

1931 Ford Model A
フォード モデルA


前作のT型フォードは黒一色しか選択できなかったが、A型はカラーリングの選択肢が広がるなど、フォードの挽回に貢献したモデル。非常に丈夫で高い品質と使いやすさで人気を博した。一見、最終型のT型に似ているが、まったくの新設計を採用したモデルだ。

13

1931 Ford Model A
フォード モデルA


1927年、T型フォードに代わる次世代量産モデルとして発表されたモデルA。世界各地でノックダウン生産され、日本フォードの横浜工場でも生産された。この個体は慶応義塾体育会自動車部によって大切に継承され、「31(サンイチ)フォード」の愛称で親しまれている。

14

1932 MG J2 Midgget
エムジー J2 ミジェット


イギリスのMGはライトウエイト・スポーツカーとして、もっとも有名なメーカーといっても過言ではない。J2ミジェットは先代のMタイプを大幅に改良。搭載される847ccの直列4気筒SOHCエンジンは圧縮比の見直しやクロスフロー化によりパワーを増している。

15

1933 Alfa Romeo 8C 2300/2600
アルファ・ロメオ8C 2300/2600


1931年、8C2300が登場しル・マン24時間レースを4連覇するなど数々の著名なレースで大活躍。アルファ・ロメオの名声を飛躍的に高めた伝説のモデル。2600は1933年に登場し直列8気筒DOHCスーパーチャージャー付エンジンを搭載した高性能モデルだ。

16

1933 MG L-Type Magna
エムジー Lタイプ マグナ


搭載される直列6気筒SOHCクロスフローエンジンは1086ccの排気量から最高出力41馬力を発生。当時、イギリスで流行していたトライアルレースでは様々なMG車が活躍し、名声を高めていった。Lタイプは派生モデルとして、L1(クローズドボディ)も存在する。

17

1933 Datsun Type12
ダットサン 12型


1911年に起業した「快進社」がダット号の生産を開始。その後、「ダット自動車商会→ダット自動車製造→戸畑鋳物自動車部→自動車製造」を経て1934年、「日産自動車」となる。ダットの息子=ダットソンとなるが“SON=損”を連想させるので“SUN=太陽”と名付けた。

18

1934 Alvis Speed 20 SC
アルヴィス スピード 20 SC


イギリスのアルヴィスは1919年~1967年まで、高品質で高性能な高級サルーンの先駆けとなったメーカー。特にこのスピード20は重心が低くスポーティなモデルとして評価が高い。同社はエンジンとシャシーのみを製作し、ボディは著名な外部のコーチワーカーに任せた。

19

1936 Alvis 3 1/2 litre Special
アルヴィス 3 1/2リッター スペシャル


3.5リッターOHV 3個のSU気化器のついた強力で静粛なエンジン、ローまでシンクロメッシュの4段ギアボックスを備える。元来はVanden Plus製サルーンだったのを、2人目のオーナー小林彰太郎が、英国で現在の2座スポーツ・ボディに載せ替えた。

20

1937 Tsukuba Sedan
筑波セダン


国産初の前輪駆動車は、多摩川レースで活躍した川真田和汪氏が1931年に製作した「ローランド号」といわれる。その改良発展型である「筑波号」は、東京自動車製造により、3車種(セダン、幌型、トラック)がおよそ130台生産された。車名は関東の筑波山に由来する。

21

1937 Datsun Roadster

ダットサン ロードスター


1935年、横浜の新工場で最初に生産されたのがこのモデル。直列4気筒722ccのエンジンは1937年式で最高出力16馬力を発生。この個体は1986年と1987年、2年連続グレートアメリカンレース(アメリカ大陸横断レース)に参加。また、親子三代に渡り所有されている。

22

1937 Rolls-Royce 25/30HP
Sports Saloon(Hooper)
ロールス・ロイス 25/30HP フーパー製スポーツサルーン


「吉田茂のロールス・ロイス」として有名なこの車両は、もともと吉田元首相の女婿である麻生太賀吉氏が大戦前に英国で購入し日本に持ち帰ったもの。また、このモデルはフルサイズのファントムとの対比から、“ベイビー・ロールス”と呼ばれている。

23

Toyota Type AB Phaeton
トヨタ AB型 フェートン


トヨタAA型乗用車をフェートン形式(幌型)にしたモデルで、そのほとんどは陸軍に納められ一般の手にはあまり渡らなかった。このタイプは1936年~1938年まで生産された。なお、この個体は法政大学体育会自動車部よりトヨタ自動車博物館へ寄贈された車両だ。

 

Part2 戦後の名車たち

24

1947 Fiat 500B Zagato Panoramica

フィアット 500B ザガート パノラミカ


その愛くるしいデザインも魅力のボディは、今なお活躍を続けるカロッツェリア・ザガートによるもの。ベース車両はフィアット500チンクエチェントだ。3次元曲面ガラスのない時代に空力特性を極めようとする特徴的なアプローチが随所に見られる点が感心させられる。

25

1948 Cisitalia 202 SC Coupe by
Pininfarrina
チシタリア 202 SC クーペ ピニンファリーナ


イタリアの至宝と呼ばれるチシタリアは1946年に発足。ミッレ・ミリアなどレースでも活躍した。ピニンファリーナによる202 SCの美しいデザインは同社の代表作で、ニューヨーク近代美術館(MOMA)に「動く彫刻」として自動車で初めて永久保存が決定した。

26

1949 Plymouth Special Deluxe 4Door
Sedan
プリマス スペシャル・デラックス 4ドアセダン


アメリカのクライスラー社によって量産されたファミリーカー。1949年型は戦後初のモデルとして発表された。この個体は、現オーナーの祖父が初代オーナーとして新車で購入して以来、家族代々乗り継ぎ大切に維持・所有される “ワン・ファミリー・カー”である。

27

1951 Ferrari 340 America Spyder by
Vignale
フェラーリ 340 アメリカ スパイダー ヴィニャーレ


その名が示す通り、アメリカ市場を強く意識したモデルでレースでも好成績を収めている。車名のヴィニャーレはボディを架装したカロッツェリアの名前。1951年のミッレ・ミリアではこのベルリネッタ版が優勝している。4102ccのV型12気筒SOHCエンジンを搭載。

28

1952 MG TD
エムジー TD


1950年戦後2番目のTシリーズとしてその進化は“D”へと進む。先代TCからエンジンの排気量に変更はないものの、フロントサスペンションがダブルウィッシュボーン+コイルスプリング、ステアリングにラック&ピニオンを採用。シリーズ最大のヒットとなる。

29

1954 MG TF
エムジー TF


TDに続く戦後3番目のモデルがTF(アルファベット順にモデル名をつけるならTEとなりそうだが……)。先代から採用された前輪独立式のサスペンションに加え、ヘッドライトとフェンダーを一体化するなど、ボディに部分的なモディファイが加えられている。

30

1955 Mercedes-Benz 300Sb
メルセデス・ベンツ 300Sb


戦前の500K/540Kの思想を受け継ぎ最上級グランドツアラーとして1951年に誕生。ハンドメイドの超高級車としてごく少量が生産された。1955年式は最終期のモデルで燃料噴射エンジンを搭載。この個体はかつて映画俳優の高橋貞二氏が所有していた。

31

1956 Ford Thunderbird
フォード サンダーバード


1955年に発売を開始し大成功を遂げた2シーターのスペシャリティカーで、古き良き豊かなアメリカを象徴するモデル。また、端正なスタイルをもつ初代サンダーバードは、もっとも好ましいモデルとして今でも愛され人気が高い。フィフティーズの象徴的モデル。

32

1956 Mercedes-Benz 300SL
メルセデス・ベンツ 300SL


この個体は、かつてアメリカ空軍准将が日本駐留中に新車で購入し、帰国時に持ち帰ったものだが、その後’70年代に売りに出されて日本人が購入。縁あって再び日本の地を踏んだ。日本再上陸後は現在のオーナーが35年以上に渡り大切に保管・所有し続けている。

33

1956 Lotus Eleven Series 1 Le mans
ロータス イレブン シリーズ1 ル・マン


ロータスの創業者コーリン・チャップマンが設計し、レースでも大成功を遂げたレーシングカー。創業時の、市販車を大幅に改造したモデルとは異なり、軽量なスペースフレームを骨格とするシャーシと空力的に優れるボディを組み合わせた本格的なレーシングカーだ。

34

1957 Mercedes-Benz 300C
メルセデス・ベンツ 300C


1951年にデビューした300シリーズの第3世代に当たるのが300Cだ。戦後のメルセデスはこの300シリーズから本格的に始動。当時の西ドイツ首相コンラッド・アデナウワーが愛用したことから通称“アデナウワー”と呼ばれる。この個体は新車時から日本に存在する車両だ。

35

1959 Fiat Abarth 750 Record Monza
フィアット アバルト 750 レコルト・モンツァ


イタリアのモンツァ・サーキットで速度記録を樹立。そのワールドレコードを記念したモデル。アルミ製のボディはカロッツェリア・ザガートが製作。その美しいデザインはイタリアでも権威のある賞、「Compasso d'Oro」(金のコンパス賞)を受賞した。

36

1959 MGA 1600 Roadster
エムジーエー 1600 ロードスター


戦後、イギリス製ライトウエイト・スポーツカーの代名詞ともいえるMG。このMGAはTFに続くモデルで、空力特性を考慮した全く新しいボディを装備。ラダーフレームを持つ最後のモデルとなるが、優れたパッケージとデザインは今なお魅力的だ。

37

1959 Alfa Romeo Giulietta Spider
アルファ・ロメオ ジュリエッタ スパイダー


戦後アルファ・ロメオが大成功を収めたベルリーナ「ジュリエッタ」のオープンカー版で1955年に登場。デザインはピニンファリーナが担当し、端正な美しいスタイルを実現している。搭載するエンジンはスプリント同様、1290ccの直列4気筒DOHC。

38

1959 Alfa Romeo Giulietta Sprint
アルファ・ロメオ ジュリエッタ スプリント


戦後のアルファ・ロメオが量産を狙い開発したモデルがジュリエッタ。1954年、まずクーペボディのスプリント、翌年4ドアのベルリーナが登場する。デザインはベルトーネによるものでじつに個性的だ。搭載するエンジンには惜しみなくレースで培われた技術を投入した。

39

1961 Lotus Type14 Elite Series 2
ロータス タイプ14 エリート シリーズ2


オールFRP製モノコック・ボディを採用したロータス初のGTカー。空力的で美しいスタイリング、軽量ボディ、高性能なコヴェントリー・クライマックス・エンジンと相まって、レースでも大活躍。なお、この個体はシングルナンバーをもつワンオーナーカーである。

40

1962 Facel Vega Facellia F2
フッアセル・ヴェガ ファセリアF2


フランスのファセル社は、他車のためにボディを製作していたが、1957年に大型高級車の分野に進出を計り、最終的にはクライスラー製V8 6276cc 360HPエンジンを載せたVegaを開発、北米で少数を販売する。その一方1959年には、4気筒DOHC 1646ccエンジンを新たに設計、洒落た高級小型車 Facelliaを発売する。だがこのユニットの信頼性は最低と判明、急遽ボルボP1800のエンジンに転じる。だが時すでに遅く、同社は1965年に破産した。

41

1962 Humber Sceptre
ハンバー セプター


かつてイギリスに存在したルーツ・グループの老舗ブランド、「ハンバー」の中堅小型サルーン。ヒルマン・スーパーミンクスやシンガー・ボーグとは兄弟車の関係で、ボディシェルを共用している。この個体は、長年にわたり現オーナーが大切にしてきた車両である。

42

1964 Lotus Elan Series 1
ロータス エラン シリーズ1


エリートの後継車として、さらにボディのオープン化も考慮して開発。エリートとは異なり、軽量かつ高剛性のプレス鋼板バックボーンフレームにFRP製のボディを組み合わせている。この個体はかつて滝進太郎氏が所有していた。

43

1964 Ferrari 275 GTB
フェラーリ 275 GTB


流麗な美しいクローズドボディはピニンファリーナによるもの。ジョアッキーノ・コロンボの設計によるV型12気筒SOHCエンジンは、3286ccの排気量をもち、最高出力300馬力を発生した。その後このエンジンはDOHC化され275GTB/4に搭載されることになる。

44

1972 Mercedes-Benz 600
メルセデス・ベンツ 600


1963年の誕生から1981年までの18年間、メルセデスの最上級車として君臨。「路上でもっとも速く、安全かつ豪華な乗り物」と評された。エンジンは6329ccのV型8気筒SOHC。また、エアスプリングのサスペンションを装備していた。

45

1972 Citroen DS 23
シトロエン DS 23


シトロエンが1955年に発表し、1975年まで約20年間にわたり生産。極めて前衛的な油圧機構を統括制御する「ハイドロニューマチック・システム」を装備した技術面においても注目の前輪駆動乗用車。近未来的なスタイリングは今なお個性的で新鮮味を感じさせる。

Part3 日本の名車たち

46

1930 New Era

ニューエラ(日本内燃機)


白楊社で製造部長として「オートモ号」などの開発に関わった蒔田徹司氏が1926年秀工社を設立し開発した3輪自動車。初期モデルは350ccのイギリス製JAP型エンジンを搭載。1929年に空冷4サイクルのサイドバルブエンジンを開発。1930年規制改正により500ccとなる。

47

1954 Nissan Austin A40 Somerset
Saloon
ニッサン・オースティン A40 サマーセット・サルーン


イギリスのオースティンと技術提携。日本での「A40サマーセット・サルーン」のノックダウン生産により誕生した。一部の部品、タイヤやバッテリー、平ガラスなどは日本調達。エンジンは1.2リッター直列4気筒OHVを搭載していた。

48

1957 Nissan Austin A50 Cambridge
ニッサン・オースティン A50 ケンブリッジ


1955年、本国での「A40サマーセットサルーン」生産終了を受け、後継車として登場したモデル。デザインの愛くるしさは薄れたが、サルーンとしての居住性は向上した。エンジンは排気量を拡大し1.5リッターを採用。部品調達率も100%日本産となった。

49

1957 Toyopet Crown RS
トヨペット クラウン RS


戦後のトヨタがすべてを自社開発した本格的な乗用サルーンがこのモデル。発表は1955年。エンジンは当時の小型車枠いっぱいの1.5リッターを搭載し、また特徴的な観音開きのドアを採用するなど個性的な一面も。量産化をにらみ日本初の大型プレスを導入するなど話題も尽きない。

50

1963 Datsun Bluebird 1200 DX
ダットサン ブルーバード 1200 DX


今は亡きブルーバードの初代モデルは1959年に誕生した。展示されたこの車両は1963年式なので、310型と呼ばれる初代ブルーバードの最終型となる。ワゴンのボディバリエーションもラインナップされ、小型ファミリーカーとして人気を博しベストセラーとなった。

51

1969 Subaru 360
スバル 360


通称「てんとう虫」と呼ばれるスバル360は、政府による国民車構想と軽自動車規格の改定による後押しを受け1958年に誕生。居住空間を広くとるために、空冷直列2気筒のエンジンはリアに搭載。スポーツ志向のSSグレードやコンバーチブルもラインナップされた。

52

1964 Honda S600
ホンダ S600


1963年に発売されたホンダ初の4輪乗用車「S500」バリエーションのひとつとして1964年に追加投入されたモデル。車名の数字が示す通り、エンジン排気量を606ccに拡大。パフォーマンスの向上を図った。翌1965年にはさらにクーペも投入された。

53

1964 Nissan Cedric Custom
ニッサン セドリック カスタム


戦後の混乱期からノックダウン生産を経て、いよいよ自社開発がスタート。純国産の中型乗用車として1960年、初代セドリックは誕生した。2代目へとバトンを引き継ぐまで、直列4気筒や6気筒エンジンの他に、ディーゼルエンジン車もラインナップされた。

54

1965 Toyota Sports 800
トヨタ スポーツ 800


ホンダSシリーズに呼応するかたちで1965年に誕生。クルマ好きには通称「ヨタハチ」の名で親しまれている。搭載するエンジンは水平対向2気筒OHVの790cc。ライバルは直列4気筒DOHCエンジンを搭載していたが、優れた空力と軽い車重からレースでも活躍した。

55

1965 Toyopet Corona
トヨペット コロナ


初代から3代目にあたるコロナは1964年に誕生。トヨタの基幹車種として、ライバルのブルーバードと熾烈な販売競争へと向かう。直線基調のデザインはアローラインと呼ばれ、ライバルとはこの点でも一線を画した。また、2ドアハードトップ、5ドアセダンも用意された。

56

1966 Datsun Bluebird P411
ダットサン ブルーバード P411


1963年に誕生した2代目ブルーバードは、ピニンファリーナによるデザインを採用。しかし、尻下がりのリアデザインが日本では不評となり、1966年に変更されてしまう。デビュー直後は先代のパワートレインを流用していたが、徐々に改善され一新されていった。

57

1966 Honda S800
ホンダ S800


モーターサイクルでの世界的名声を背景に4輪自動車に進出したホンダは、満を持して1964年にF1へ本格参入。レースの世界で培われた技術は1965年、Sシリーズの最終形である「S800」に反映され、高回転・高出力のエンジン開発へと繋がっていった。

58

1966 Prince Gloria Super 6
プリンス グロリア スーパー 6


スカイラインの上級車として1959年に直列4気筒エンジンを搭載した1900ccの初代グロリアが誕生。1962年に日本初の直列6気筒2000ccエンジンを搭載したのがこのモデル。社名のプリンスとは皇太子の立太子礼にちなんで富士精密工業から1961年に改名したものである。

59

1967 Subaru 1000
スバル 1000


富士重工業初の小型乗用車として1966年に発売。水平対向4気筒エンジンと前輪を駆動輪とする国内初のFFパッケージ、4輪独立懸架サスペンションの採用などメカニズム的にも注目を浴びた。1968年には早くも国内ラリーで優勝するなど、現在のスバルブランドの基を築いた。

60

1967 Datsun Fairlady SR311
ダットサン フェアレディ SR311


初代フェアレディは1960年に誕生。1962年には2代目となり、年を追うごとにエンジン排気量は増加し出力が向上。最終的には2.0リッターまで拡大された。この車両はSR311型と呼ばれるフェアレディ2000で、「Z」の符号が与えられる前の最終モデルとなる。

61

1968 Toyota Publica Convertible
トヨタ パブリカ コンバーチブル


国民車構想によりトヨタが開発した小型量販車でデビューは1961年。コンバーチブルはそのボディバリエーションのひとつで1966年に誕生。スポーツ800にも搭載されたエンジン仕様同様、ツインキャブを採用しラインナップの中でもスポーティな走りを実現している。

62

1973 Honda Z Hardtop GT
ホンダ Z ハードトップ GT


初代ホンダZは軽自動車でありながらもスペシャリティカーとして開発され、1970年から1974年の期間販売された。1972年にはBピラーが廃され、精悍なハードトップスタイルにマイナーチェンジ。また、同時にエンジンも公害対策を充実させるなどリフレッシュを図る。

番外

1938 Nissan Type 81 Van
ニッサン 81型 バン


参考展示されたこちらの車両は、1937年にアメリカのグラハム・ページから日産が生産設備を譲り受け、日本で生産・販売した貨物車用だ。カラーリングの通りこの個体は三越が商品運搬用にした実車であり、日産が譲り受けレストアを施し現在にいたっている。

 

前回2010年の模様はコチラ
http://www.faust-ag.jp/lifestyle/lifestyle021.php

 

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