飛行機で無重力を体験
ヨーロッパで初の一般向けフライト
飛行機で無重力を体験
ヨーロッパで初の一般向けフライト
宇宙空間でしか体験できない無重力状態──。宇宙飛行士でもマンガのヒーローでもない私たちが、その貴重な空間を体験できるとしたら? これまで既にロシアやアメリカで一般向けの飛行が行われているが、2013年3月からはヨーロッパでも無重力専用機「エア・ゼロ・ジー(Air Zero G)」の運航が始まった。
2013年3月15日に行われた初フライト。離陸前に説明を受ける参加者たち。©Novespace-Manue Pedoussaut
Novespace社代表のジャン=フランソワ・クレルヴォワ氏も同乗した(写真左)©Novespace-Manue Pedoussaut
このプロジェクトは、フランス国立宇宙研究センターCNESとCNES傘下にある航空宇宙企業Novespace、そして航空機のチャーターやリースを行っているAvicoの3団体が提携して実現した。Novespaceが所有している無重力機「エア・ゼロ・ジー」はエアバスA300型機を改造した航空機。体長54メートル、翼幅44メートルの40人乗りで、急降下と急上昇を繰り替えす放物線飛行によって無重力空間をつくりだす。
参加資格は18歳以上。年齢に上限はないが、事前に健康診断を受けることが義務付けられている。
記念すべき2013年3月15日の初フライトには、男性34人、女性6人の合計40人が参加し、Novespace社代表で元宇宙飛行士のジャン=フランソワ・クレルヴォワ(Jean-François Clervoy)も同乗。8時45分にフランス南西部にあるボルドー・メリニャック空港に集合し、4グループに分かれてインストラクターとともにブリーフィング。軽食を取った後、13時に離陸した。
放物線飛行は、火星の低重力(3.8G)下で1回、月の低重力(0.16G)下で2回、そして0Gの無重力状態で12回。それぞれ5分の休憩を置いて実施され、14時30分に着陸するまでに約5分間、無重力を体験したという。
Novespace社は1988年から研究目的の無重力飛行を繰り返し行っており、クレルヴォワ代表が一般向けのサービスを発案。2006年から準備を進めてきたそうだ。「重量が完全に消失するという感覚は、いまも私にとって不可思議な時間です。エア・ゼロ・ジーのおかげで、一般の方々にも宇宙飛行の無重力体験をしていただけることをとても嬉しく思っています。重さ、軽さといったあらゆる感覚をくつがえす、一生記憶に残る貴重な体験となるはずです。そして未来の宇宙飛行士たちにとっては、宇宙研究にとって、なぜこれほど多くの科学的な実験と教育が必要であるかを理解して、宇宙への理解を深めてくれるでしょう」とコメントしている。
次の無重力フライトは、6月23日(パリ・ブルジェ空港)と10月25日(ボルドー・メリニャック空港)の2回を予定している。しかし6月のフライトは、既に昨年12月の発売と同時に満席。2014年までに6回のフライトを予定しているが、この人気が続けば、さらに増える可能性もあるそうだ。気になる料金は1人5980ユーロ(約73万円)。
ちなみに、ヴァージン・グループに属するヴァージン・ギャラクティックVirgin Galactic が2014年中の実現を予定している宇宙旅行の価格は20万ドル(約1900万円)と、桁違い。本格的な宇宙旅行の前に、エア・ゼロ・ジーで無重力飛行を体験してみる、というのもいいかもしれない。
今年3月にはスイスのスイス・スペース・システム(Swiss Space Systems)社が宇宙旅行“商戦”への参入を発表しており、宇宙旅行の世界は再び活気づいているようだ。宇宙への旅行が現実化する日は、もう目の前?
エア・ゼロ・ジーの軌道を描いたアニメーションはコチラ
★YouTubeでもご覧いただけます(スマートフォンの方 はこちらがオススメ)
AIR ZERO G
http://www.airzerog.com/
Text:Chiaki Mitomi
2013/03/28
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