いよいよ今月!
栗城史多、エベレストへ!
いよいよ今月!
栗城史多、エベレストへ!
単独・無酸素登頂による、七大陸最高峰の制覇者「セブンサミッター」の称号を目指し、さらには登頂する自らの姿を撮影、インターネットでライブ配信する、栗城史多。ファウストA.G.注目の新世代登山家である(ロングインタビューはコチラ)。
栗城は2009年10月、七大陸最高峰の総仕上げとなるエベレストの単独・無酸素登頂に挑むも、8000m付近で断念。リベンジを誓っていた。
そして、ついにそのプロジェクトが始動したのである! トップ写真:栗城が右手に掲げるのは、登山家・野口健から譲り受けた、植村直己が使っていたアーミーナイフ。野口は栗城に手渡す時、「これは返してね。生きて帰って来いという意味だよ」と語ったという。
栗城史多は今回のプロジェクトを発表するにあたり、8月に行われた出発直前の記者会見の第一声でこんなことを言っている。
「山を登るというだけではなくて、苦しんでいるところや頂に立っている喜びを、日本全国の、また世界中の人たちと共有したいな、というふうに思いまして、この企画をずっと進めてきました」
栗城が3年前、テレビの企画でヒマラヤからの動画配信に挑戦したときのタイトルが「ニートのアルピニスト、初めてのヒマラヤ」。実際、栗城にはニートと呼んでも差し支えないような時期があった。何の目的もなく、日々をやり過ごした経験を持っている。
だからこそ、栗城はこんなことを思っている。
多くの人々が持っている、何ごとにも挑戦する前から「不可能だ」と決めつけてしまう気持ちをなくしてもらうため、冒険を共有してもらい、はじめの一歩を踏み出す勇気を与えたい――。
栗城は夢が実現する瞬間を多くの人と共有するため、昨年、一度失敗に終わっている単独・無酸素によるエベレスト登頂を、いま再び目指そうとしている。
栗城は、夢が実現する瞬間の感動を多くの人に共有してもらうため、エベレスト登頂の過程を中継することにしている。
昨年、エベレストに挑戦した際にも動画配信を行ったYahoo! JAPANの特設サイトに加え、今回はavexのmu-moからも配信されることになっている。これは、栗城の「今年はたくさんの若い人にも見てもらいたい」という希望から、インターネット(PC)だけでなく、携帯での視聴を可能にするためだ。
また、Ustreamを使って現地からのライブ中継を行う予定になっており、これはiPhoneで見ることができる。過去にテレビでは行われたことがあるものの、インターネットでの頂上からの生中継は世界で初めての試みである。
「生中継」と言葉にすれば、何でもないことのように思えるが、環境の整わないエベレストからの映像配信は当然、簡単なことではない。
果たして、どのように中継は行われるのか。
昨年のエベレスト、そして今春のアンナプルナと、栗城が登頂を目指すなかで、中継技術も徐々に高められてきている。
まず、栗城が自ら送信機をかついで上がる。この送信機は重さ4kg。過酷な環境にも耐えられるよう、独自に開発してもらったものである。そして、この送信機で5300m地点に設けられたベースキャンプに映像を送る。ベースキャンプには送受信ふたつの基地が作られ、栗城が送ってくる映像を受信し、通信衛星を使って、Yahoo! JAPANのスタジオに向けて送ることになっている。
過去に撮られた栗城の登山中の映像を見ていると、さも専属のカメラマンが常に帯同しているかのような印象を受けるが、実際は栗城が自ら撮影している。
例えば、クレパスを飛び越えるシーン。栗城がジャンプして越える瞬間を斜め後方から移しているのだが、これも自分で三脚を置いてカメラをセッティングしたものだ。
「当然、自分は飛び越えても、カメラは置いたままなので、もう1回戻ってカメラを回収しなければならないので、計3回飛んでるわけです」
こうしてエベレストから、数々の映像が我々の元に届けられる。
昨年は中国側から頂上を目指したが、今回はネパール側からの挑戦となる。
8月17日、すでに日本を出発している栗城は、9月(日にちは調整中)に1回目の生中継を7900m地点から行うことになっている。と同時に、「ギネスに挑戦」が予定されている。
(ただし、登頂を含めこのプロジェクトのスケジュールは、ネパールのカトマンズ・ルクラ間のアグニエア航空小型機墜落事故の影響で、栗城の同路線のフライトが、1週間以上飛ばず、9月2日現在、予定の大幅な変更をよぎなくされている。新しい日程については当サイトでも続報予定)
今年は何をするかというと、世界一標高の高い場所で行う「世界一上から目線の人生相談」と「ものまね」である。
今回はツイッターを活用しながら、リアルタイムでものまねと人生相談のネタを募集する。ちなみに栗城はものまねに関し、「僕は最初から、できないとか、無理だとかというメッセージは発信しない人間。どんなものまねでも、自分なりにやります」と宣言している。
一見、かなりバカバカしい企画だが、エベレスト登頂という苦しい世界だからこそ、「ただ苦しい苦しいというだけでなく、そのなかで楽しい姿を見せたい」という栗城の思いからである。
ちなみに、昨年のエベレスト登山の際も、2度ギネスに挑戦したが(6500m地点での「世界一標高の高い流しそうめん」、7400m地点での「世界一標高の高いカラオケ」)、いずれも認定されるには至らなかった。
その後、一度5300m地点のベースキャンプへ下りて休養を取り、9月(日にちは調整中)に2回目の生中継。そして、いよいよアタックステージがスタートする。
最大の見どころとなる8200m地点から山頂へのアタックは、9月~10月の間に行われる。
アタック開始予定は現地時間で20時。約18時間をかけて登ることになるため、登頂は翌29日の11~14時くらいになる予定だ。日本時間では14~17時。天気が良ければ、栗城の姿とともに頂上からの絶景がライブで届けられることになる。
栗城はあくまで単独・無酸素での登頂にこだわっている。それは酸素ボンベを使用するのに比べ、相当に過酷な条件であることは言うまでもない。
人間が無酸素で8000mを登ろうと思えば、通常チャンスは1回しかない。なぜなら、気圧が地上の3分の1にまで下がる環境下では、体の水分が抜け、激しい脱水症状になって下りてくることになる。つまり、2回目のアタックをしたところで、1回目以上の力を出せないのだ。
だが、栗城はもし1回目のアタックがダメだったとしても、「冷静に体調を見極めて、調子がよければ、2回目に行ってみたい」と考えている。
「今は不安とか緊張を通り越して、非常にリラックスしたすごくいい状態。たくさんの人の応援もありますので、今年はかなりいい形で行けるんじゃないかなという、変な自信がちょっとあります。明るく元気に楽しんで、夢を実現させるんだというメッセージを頂上から発したい。がんばって行ってきますので、ぜひ中継を見て、楽しんいただきたいなと思ってます」
単独・無酸素によるエベレスト登頂が成功すれば、世界で2番目。日本人としては、初めてのこと。
夢の実現は間もなくである。
(※日程は、天候や体調などにより変更となることがあります)
Nobukazu Kuriki
栗城史多
登山家
くりき・のぶかず。1982年生まれ。登山家。大学時代から登山を始め、2年後にマッキンリー単独登頂に成功。2005年、南米最高峰アコンカグアに単独登頂。2007年に世界第6位の高峰チョ・オユー登頂時から動画配信を行う。2008年、マナスルで日本人初の単独無酸素登頂と山頂からのスキー滑降に成功。2009年ダウラギリからインターネットライブ中継を行う。10月、エベレスト単独無酸素登頂に挑むも、8000m付近で断念。2010年4月、アンナプルナに挑むも断念。エベレスト単独・無酸素登頂は日本人では成功者なし。また、その模様もインターネット生中継を行う予定。
現在の栗城のムービーや挑戦の模様はここでチェック!!
Yahoo! JAPAN特集「栗城史多 限界への挑戦 エベレストNOW!」
http://kuriki.yahoo.co.jp/index.html
2010年初春収録の栗城のロングインタビューはコチラ
http://www.faust-ag.jp/#acp/interview/interview016.php
Text:Masaki Asada
2010/09/02
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