マニア度MAXのストイックマシンが
カーライフをより楽しくする
マニア度MAXのストイックマシンが
カーライフをより楽しくする
思い起こせば20世紀末から21世紀にかけて、自動車メーカーは既存のラインナップを拡大してきました。背の高いSUVのイメージなどないスポーツカーメーカーでさえ、いまではそれを主力プロダクツに位置づけています。
ここで紹介するアウディもそんなブランドのひとつに挙げられます。Q7といったフルサイズSUVだけでなく、昨年はコンパクトSUVのQ5も追加しました。もっといえばR8(紹介記事はコチラ)もそうです。このド級のスーパーカーもまた、それまでのアウディにはなかったラインナップとなります。
ただ、ここで見逃してはならないのが既存のモデル展開です。彼らはその可能性を膨らませ、いい意味で我々カスタマーを驚かすニューマシンを追加してきました。
例えば “RSシリーズ”。A4やA6をベースとするそれは、アウディ100%子会社のクワトロ社が手掛けます。アウディ車のチューニングとセミオーダーシステム“アウディ・エクスクルーシブ”を請け負うここは、メルセデスでいえばAMG、BMWでいえばM社のような役割を果たします。
さて、ここで話をTT RSに移します。今年2月、日本に上陸したこのクルマもまた名前からわかるように、クワトロ社が手掛けたハイパフォーマンスマシンとなります。2ドアスポーツのTTをベースにかなりアグレッシブな味付けが施されました。
テーマとなったのはスポーツクワトロS1※。80年代WRCで活躍したグループB車両を21世紀に蘇らせようという考えです。目玉は直列5気筒エンジンの復活でしょうか。ユニットこそ省燃費も考えられたガソリン直噴式となりますが、5つのシリンダーというのはアウディファンには懐かしく感じます。
それはともかく、2.5リッター直5ターボエンジンは340psを発揮、それをクワトロシステムで4つのタイヤを通し路面に伝えます。しかも、トランスミッションはマニュアルシフトのみというストイックなもの。このサイズとアウディ・スペース・フレームと呼ばれる軽量ボディで、数値以上の走りを見せるのはいわずもがな、ですね。
もちろん、見た目もエアロダイナミクス化されたボディキットでかなり変わります。シートもかなりホールド性の高いバケットタイプが搭載されました。もちろん、足回りのセッティングも。ただ、それでも乗り心地が極端に悪くなったわけではないところに彼らの技量の高さを感じさせます。
こういったストイックなモデルはマニア度が高くなります。もしかしたらR8よりそうかもしれません。その意味ではこれ一台ですべてをこなすのではなく、セカンドカー、もしくは3台目または4台目といったことになるでしょう。しかし、こういったマニュアルシフトのニッチなスポーツカーが、カーライフをさらに楽しくさせることは間違いありません。
※アウディ・スポーツクワトロS1・・・80年代にWRCで活躍したグループB仕様のラリーカー。渋谷区の「アウディフォーラム東京」で、86年のWRCモンテカルロラリーに参戦したマシンが今年12月まで展示される。
アウディTT RS Coupe
全長4200×全幅1840×全高1380mm、ホイールベース2465mm
エンジン:2.5リッター直5 DOHCインタークーラー付きターボ、
最高出力340ps/5400~6500rpm、トランスミッション:6速MT
駆動方式:クワトロ4WD、価格:835万円~
公式サイト
http://www.audi.co.jp/jp/brand/ja/models/tt/tt_rs_coupe.html
Text: Tatsuya Kushima
Photos:Yukimasa Moro
2010/04/15
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