研ぎ澄まされたスポーティボディに包まれた
エレガントな機能美を堪能
フェレッティF690
研ぎ澄まされたスポーティボディに包まれた
エレガントな機能美を堪能
フェレッティF690
2012年9月カンヌ国際ボートショーの「フェレッティ」ブースで初めて遭遇したF690は、新たなトレンドを発信することになるだろう。2年前に遡るF720に始まった同ブランドの革新はキャッツアイを思わせるキャラクターラインを持つサイドウインドウにとどまらず、フライブリッジ艇とは思えないスリークかつシャープなフォルムを漂わせ、その清廉なインパクトに思わず眼を奪われた。そう、本来はフライブリッジ後部にあるはずのレーダーアーチがない。レーダーのサテライトドームはフライブリッジ後端に設けられた低層のロールバーにセットされているため、全体のフォルムがクーペ艇のように見える。またアフト(リア)デッキには、チルト可能なスイミングプラットフォームと水上バイク用のガレージも設置されている。
メインサロンは、フェレッティの革新を代表する720同様、まるで航空機のように上部に行くほどアールを持つ壁を持ち、船体のビームを有効利用して広がりを感じさせる。インテリアは、採光豊かなウインドウとふんだんに使われたグレーオーク材のトーンコントロールにより、やさしく穏やかな空間が広がっている。また、SOVETのクリスタルテーブルと、PENELOPE OGGIの真っ白な本革ソファとの組み合わせがエレガントだ。サロンのポートサイド(左舷)の後端には、コンパクトフェレッティ同様にギャレー(キッチン)がある。このギャレーには大理石のカウンターがあるので、アフトデッキからはプールサイドバーのように、またサロン内からはダイニングレストランのように自由なイメージで使える。Boschのキッチン電化製品もフル装備だ。
サロン前方のスターボードサイド(右舷)にはメインヘルムステーション(操縦席)がある。SIMRADのナビゲーションモニターとマルチディスプレーの2画面を中心にグレーとオフホワイトのコンソールが落ち着きを醸し出している。その左脇にはパソコンチャート用のスペース。航海計画作成時に最新情報を入手するための、PC専用スペースが用意されているという配慮がいい。
そして、メインヘルム左脇のコンパニオンウェイを降りれば4ステートのナイトエリアに至る。ミジップ(船央)にはビームいっぱいにオーナーズステートが広がる。シービューウインドウからの穏やかな採光が落ち着く、至福のリラクゼーションスペースだ。その左右にツインベッドの2ゲストルーム、バウ(船首)にVIPルームが用意される(ゆとりの3ステートタイプもオプションで選択可能)。
広々としたフライブリッジはデザインを刷新。こちらのヘルムはスターボード船体中央に位置し、前方にはサンパッドが敷かれ、後方にゆったりとしたC字ソファ、その前にバーユニット、ポートサイドにナビソファが用意されている。軽いパーティなどが楽しめるフライブリッジは、まさにエンターテイメントエリアとして完成している。
エンジンはMAN8V1000馬力2基を標準搭載するが、カンヌで用意されたテスト艇は、オプションのMAN8V1200馬力2基が搭載されていた。試乗では、アレクサンドル・デュマの小説『鉄仮面』で有名なサント・マルグリット島を左に見ながらスロットルを入れていった。天候晴れ、気温25度、東風6m、波1m。1000回転-10.8ノット、1200-11.7、1400-13.7、1800-17.8、2000-27.0、2200-30.0。トランサムデッドライズ(船尾船底勾配)は12度のワープドハル。マリンギアブランドZFの電動アシストステアリングは軽さの中にリニアなステア感覚を持たせている。切り込むと全長21.07m、全幅5.53mのフェレッティ690は小気味よくインサイドバンクを始め、思い通りのトレースラインを描いてくれる。全開を試みる。2300回転-33.8ノット。カタログ以上の性能がでている。ハルの構造強化とコンポジット強化の効果はてきめんで、波あたりのソフトさと音の静寂さは素晴らしい。デザインスタジオズッコンインターナショナルは、フェレッティでまたも良い仕事をしたものだと思う。
全長 | 21.07m |
全幅 | 5.53m |
燃料タンク容量 | 3700 |
清水タンク容量 | 900L |
搭載エンジン | 2 x MTU 8V 2000 M84 (オプション 2 x MTU 8V 2000 M94) |
問い合せ:テクノマーレインターナショナル株式会社
TEL:048-878-6806 FAX:048-878-6807
www.tecnomare-yachts.co.jp
Text:Kenji Yamazaki
2013/02/07
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