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INTERVIEW with FAUST  Toshiharu Kokubun
自分を追い込んで原点回帰

サーフィンをとことんやり尽くすには……。この理由だけなら、モーリシャスを選ぶサーファーは少ないだろう。世界中のサーファーたちが、こぞって モーリシャスを訪れるほど有名なポイントは無い。グッドウェーブを求めるのであれば、ハワイやグアムへのトリップで十分に刺激的だ。時間に余裕があれば、 オーストラリアやパラオ、メキシコあたりまで足を延ばすのもいい。
しかし、國分が選んだのはモーリシャスだった。
株式会社アースホールディングスの代表取締役である彼が、多忙なスケジュールを縫ってモーリシャスへ向かった理由は何だったのか。
そこには、國分ならではの理由が隠されていた。

自分の胸の中に温めていたもの

Mephisto(以下M)耐久サーフィンを終えた直後、「まだできる」と話していましたね(笑)。
Faust(以下F)カメラマンさんへのサービスでビーチに倒れ込みましたけど(笑)、ホントにまだできましたよ。最後のほうの波のサイズなら、あと2、3時間はイケたと思います。陽が沈んじゃったんで、終わらせなければいけなかったですが。
 一緒にサーフィンをしていたSさんが、「こんなに楽しそうな國分さんは初めて見た」と話していました。
 サーフィンをするのは久しぶりだったので、最初は自分でも「んっ?」という感じだったんですよ。だけど、途中からかなり感じがつかめたかな。うん、楽しかったですよ。
 そもそも、モーリシャスまで行って、耐久サーフィンをしようと思ったきっかけは何だったのでしょう?
 いくつかあるんですけれど、まずは自分にとっての節目だったということですね。美容の世界に入って30年目で、年齢的にも50歳を目前にして、何かをしたい、しなければいけないと思っていたんです。
 なるほど。

 モーリシャスへ行くというのは、実は自分の胸のなかでずっと温めてきたもの。美容を始めて10年ぐらいのときに、ビジネスで成功を収めた方からモーリシャスへ行ったという話を聞いたんですね。ヨーロッパやアメリカのエグセクティブも憧れる島で、一度行った人たちはかなりの確率でリピーターになると。しかも、『インド洋の貴婦人』と呼ばれているという。そこまで聞かされたら、行ってみたいと思うじゃないですか。果たしてどんなものなのか、自分の眼で確認したいなって。よし、自分もビジネスで成功を収めたら行くぞと、ずっと思っていました。数年前から仕事がある程度形になってきたので、いつ実行するかということを考えていて……。私の誕生日が12月なので、節目を考えると、(50歳を目前に控えた)2008年の11月というタイミングがベストだったんです。
 “インド洋の貴婦人”という表現に、偽りはなかったですね。

 モーリシャスにまつわるトピックとして、『トムソーヤーの冒険』を書いたマーク・トウェインの紀行文の一節が有名ですよね。「神はまずモーリシャスを創り、そしてモーリシャスを真似て天国を創った」という一文。それほど素晴らしい島なら、やはり自分の目で見てみたい、感じてみたいという気持ちが強かった。知らない世界というものを、知らないままにしておきたくないですから。
 お子さまたちにも見せてあげたいのだとか?
 それも動機のひとつですね。僕は19歳まで故郷の福島で過ごしたのですが、自然の雄大さ、素晴らしさ、大切さというものを強く感じています。僕が子どもたちにどんなところなのかを伝えることで、「自分も行ってみたいな」と思ってくれたらいいな、と。それから……。
 それから……?

 20年前のちょっとした出会いですね。独立してフィットネスクラブに通ってた時期なんですけど、たまたまそこでウェット焼けしている人と会ったんですよ。サーファーだってひと目で分かりました。で、サウナで一緒になったんで話を聞いてみると、50歳だというんです。僕は30歳でしたから、「いまからでもできますか」と聞いたら「全然イケるよ」って。お店のスタッフにもサーフィンをやっている人間がいたので、彼らとの距離を縮めきっかけにもなる。何より、自分も50歳までサーフィンをやって、その人みたいなカッコいい50歳になりたいと思ったんです。
 原点回帰という意味合いもあったわけですね。
 僕にとってのサーフィンは、独立してから一番最初に始めたスポーツなんです。そういう意味ではまさに原点に戻って、50歳の節目を前にもう一度サーフィンというスポーツと向き合ってみたかった。あのときの気持ちに戻って、また新しいステップを刻みたくてモーリシャスへ行ったんです。ちなみに、2008年の「EARTH」(以下アース)のテーマは、『原点回帰』だったんですよ。
 本当にたくさんの動機付けがあって、モーリシャスでの耐久サーフィンに踏み切ったわけですね。
 オーナーやスタッフといったアースに関わる若い人たちへのメッセージとして、僕みたいなオヤジが無謀なチャレンジをすることによって、諦めない気持ちを感じてほしかった。努力をする意味、継続する意味を考えてほしかった。自分の背中を若い人たちにしっかりと見せて、『さあ、ついてこい』というメッセージを発信したかったんです。

リスクと楽しみは背中合わせ

 モーリシャスの波はどうでしたか?
 サーフィンはそれほど盛んではないと聞いていましたけれど、そこそこに高い波もあり、乗りやすい波もありで。サーフィンを目的にした旅でも、十分に満足できるんじゃないですかね。ポイントによって、ハードにもソフトにもできるって言うのかな。夕陽を見ながらのんびり波に乗ることもできるし、高い波にどんどんチャレンジすることもできる。
 國分さんは自分を追い込んでいました。
 突然の雨にはびっくりしましたけど(笑)。でも、そのあとの虹は最高でしたね。
サンセットも綺麗だったなあ。海はもちろん綺麗だし。波待ちをしながら、山を見ることもできた。サーフボードの上から、自然のすべてを見たような気がしますね。
 足のケガの影響はないと、最後まで話していましたが?
 あんなの、ケガのうちに入りませんから。
 本当に影響はなかったんでしょうか?
 ……今だから話しますけれど、それはまあ、まったくなかったとは言えないですね。絆創膏を貼ってブーツを履いても、海水がまったく入ってこないわけじゃない。痛みもありました。そのおかげで、踏ん張りが効かないこともあったし、バランスを取るのが難しかったり。いい感じでパドリングしているのに、テイクオフできなかったりもしました。
 やっぱり……。
 でも、逆に力が抜けて良かったところもあったし。すべてがマイナスだったわけではないですよ。
 本当にとことんまで、自分を追い込んでいるなあというのが率直な印象でした。
 遊びも仕事も同じだと思うんですよ。チャレンジしていないと楽しくないと。だから、遊びというか、スポーツに対しても、ストイックな傾向は強いかもしれない。危険だなっていうぐらいのレベルじゃないと、楽しくないというか。限界を越えたところに快感があるというか。
 それは、Faustたちに多いメンタリティですね。リスクと楽しみは背中合わせ。

 仕事は楽しむための基本、ベースです。仕事をきちんとやり通して、やり続けて、結果を出していなければ、遊びでもスポーツでも楽しめない。同時に、遊びでもスポーツでも、僕はいつでも成長していたいんです。1年前よりうまくなったな、変わったな、という感覚を味わいたい。それが、何よりの継続動機になるから。今度は違うところへ行って、違う波にトライしてみよう、とか。そういえば、モーリシャスの波はノースショアに似ているところがありましたね。
 今回のモーリシャスは、さらにサーフィンにハマるきっかけになったようですね。
 30歳の僕は、50歳までサーフィンができるかなと思っていた。50歳になった僕は、これからもっとサーフィンをやって行こうと思っている。今回の100本ライディングが、その裏付けになっています。
 帰国後すぐに、伊豆方面へ出かけたそうで。
 モーリシャスへ同行してくれたカメラマンさんが伊豆に住んでいると聞いて、それはぜひ行こうと。足の裏のケガが完治したところで、リベンジに行きました(笑)。海に入るのは年に数回でも、サーフィンはずっと続けて行くでしょうね。自然との距離がこれだけ近いスポーツって、他にはないと思うから。
 次はどこに波に挑戦しましょうか?
 やっぱり、みんながあまり行ったことのない海に挑戦したいですね。
 わかりました。Faustでも探します。

 

 

  • ◎「美しきインド洋の海で日没まで耐久サーフィン」STORY本編はコチラ

 

 

Faust Profile

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國分利治(アースホールディングス代表取締役社長)

全国に180店舗の美容室を展開する「EARTH」(アース)を経営。1958年12月29日に福島県に生まれる。工業高校の電気科を卒業し縫製工場に就 職するが、一念発起し東京の美容室へ転職。すぐに商才を発揮して、5年後には17店舗を任されることになる。その後30歳で独立して「EARTH」を開 業。大規模なチェーン展開で全国各地に店舗を持つようになる。現在、美容廃液の問題解決などロハスな活動にも取り組んでいる。犬のトリミングサロン「ド ギーアース」やドッグカフェも運営。
http://www.hairmake-earth.com/
http://blog.earth-king.cc/

  • ◎「美しき南洋の島 モーリシャスへ冒険の旅に出たい!」 という冒険者へ画像

Who is Mephisto ---メフィストとは

人生のすべてを知ろうとした、賢老人にして愚かな永遠の青年「ファウスト」(作:ゲーテ)。この物語でメフィストとはファウストを誘惑し、すべての望みを叶えようとする悪魔。当クラブ「Faust Adventurers' Guild」においては、Faustの夢と冒険の物語をサポートする案内人であり、彼らの変化や心の動きに寄り添う人物。時に頼れる執事、時に気の置けない友人のような存在は、『バットマン』におけるアルフレッド(マイケル・ケイン)、『ルパン三世』における不二子&次元&五右衛門トリオのようなものか? 今後、Mephistoは各クエストの終わりにFaustの皆さまの心を探りに参ります。どうぞよろしく。

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