続報!世界最大のソーラーボートの冒険、
史上初の試みを達成しつつ、大航海中!
続報!世界最大のソーラーボートの冒険、
史上初の試みを達成しつつ、大航海中!
ファウストA.G.がフルソーラーパワーボート、「プラネットソーラー号」=TURANOR(トゥラノール)の完成披露を報じたのは、1年前のこと。スイスのラファエル・ドミヤン氏率いる「プラネットソーラー号」プロジェクトは、太陽エネルギーのみを使って世界中の海を巡るというもの。
このアドベンチャーを通してドミヤン氏は、太陽光エネルギーの効力を証明し、この再生可能なエネルギーを使った新たな技術開発に取り組むことを約束している。完成披露レセプションの際、「操縦桿を握るのが待ちきれない」と話した同氏。今回は、彼とそのクルーがとうとう大海原へと出航した模様をレポートする。
プラネットソーラー号の公開の模様をムービーで!
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2010年9月27日、モナコ港。船のオーナーであるイモ・ストローハー氏が最後のもやいを放した。その瞬間から「プラネットソーラー号」の壮大な冒険が始まった。およそ50,000kmに及ぶ世界一周の旅。旅の成功と無事を祈り、ハーバー内に停泊するすべてのヨットが一斉にホーンを鳴らす。「とても感動的な出航の瞬間だった」とドミヤン氏は後に振り返っている。
ストローハー氏が、繋がれていた最後のもやいを手放した瞬間。
美しいモナコの街並を背に「プラネットソーラー号」はついに地中海へと進み始めた。
天候にも恵まれ、順調なスタートを切った「プラネットソーラー号」だが、2日目にいきなりアクシデントが訪れる。フランス南東海岸に面するリオン湾を通過中、地中海独特の突風に襲われたのだ。毎時80kmという巨大な風と戦いながら船をコントロールし、なんとか危機を切り抜ける。
出航直後に自然の持つ驚異的なパワーを目の当たりにしたクルーたちだが、その後は無事にジブラルタル海峡を越え、最初の寄航港、モロッコ・タンジェリンを経て、カナリア諸島へと進んだ。そこからは次の寄港先であるマイアミまで、約7,000kmある大西洋横断という難関が待ち構えている。横断中は、熱帯性暴風雨「トーマス」や貿易風が行く手を阻み、予想以上に太陽光を集めることができない事態に見舞われながらも前進し続ける。
そして11月28日、ついにマイアミに26日と19時間10分で到着。2007年にフランスのソーラーボート「サン21」が記録した29日8時間30分を大きく上回る、ソーラーボート史上世界最速での大西洋横断という記録を打ち立てた。
技術的な面から見ても、航海は順調なようだ。ソーラー機能は申し分ない働きで、天候によるトラブルはあるものの、この航海を素晴らしく快適なものにしている。平均時速は5ノット以上。決して速いわけではないが、安定したスピードを保ち、航海を続けている。
マイアミでの滞在中、数多くのメディアが取材に訪れ、「トゥラノール号」の冒険の意義をアメリカ国民に広く伝えた。そして12月8日に到着したメキシコ・カンクンでは、国連気候変動カンクン会議が行なわれていたため、各国の代表の表敬を受け、再生可能エネルギーの可能性について共有する場となった。
さらに、ガラパゴス諸島では、エクアドルの水資源担当大臣やエネルギー長官とも面会。またWWFの協力のもと、住民や関係政府の人々とも交流する機会を得た。住民のひとりはこう話したという。「このソーラーボートの技術が、人類が地球を守るための準備段階に至ったことを意味するのではないか」。
構想から5年、4度の改良を経て完成したオフィシャルウェブサイト(www.planetsolar.org)は、「プラネットソーラー号」の航路をほぼ1分間隔で追うことができるシステムが特徴だ。航海中の体験や発見などを綴ったログブックは毎日更新される。新機能のe-コマースサイトでは、オフィシャルグッズの購入を通して、このプロジェクトのサポーターになれる。
さらに、「プラネットソーラー」のシミュレーション操縦が可能なゲーム「バーチャルレガッタ」など、誰もが参加できる楽しい機能を搭載し、その活動を広める役割を担っている。
年が明けた2011年1月。ドミヤン氏率いるクルーたちを乗せた「プラネットソーラー号」は、パナマ地峡を通過し、太平洋へ突入。もちろんソーラーボートとしては世界初の太平洋航行となる。
そしてガラパゴス諸島を経て、現在ポリネシアの海域をオーストラリア・ブリスベーンに向けて航行中。この原稿を書いているのは、彼らの航海が始まって212日目になる。これから太平洋を越え、インド洋、そしてスエズ運河を経て、地中海に戻るまで、大冒険はまだまだ続く。
ポリネシアの美しい海、空、島々。これからも残していかなければならない風景だ。
「プラネットソーラー号」オフィシャルウェブサイト
www.planetsolar.org
Text:Etsuko Soeda
2011/06/02
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