文化・芸術におけるパトロネージュの重要性を伝える
「モンブラン・ドゥ・ラ・キュルチュール」
文化・芸術におけるパトロネージュの重要性を伝える
「モンブラン・ドゥ・ラ・キュルチュール」
ルネサンス芸術や日本の古典芸能の例を引くまでもなく、あらゆる文化・芸術活動に携わる人にとって、パトロン、つまり後援者の存在は計り知れない価値があります。信頼に足るパトロネージは、アーティストや活動家の自由を保証し、世に認められる機会を作り、次代を担う後継者を育てます。利害関係を超えたところで何かに共感し合い、守り、育て、花開くのを夢見る――。そうしたパトロンたちがいたからこそ、私たちは素晴らしいアートや文化に幅広く触れることができるわけです。ひところ企業メセナ活動が流行ったりもしましたが、その多くがパトロネージの本質を理解しないまま、景気の後退とともに打ち切られてしまいました。パトロネージの本質とは、誤解を恐れずに言えば、“無私であること”ではないかと思います。
さて、前置きが長くなりましたが、いま述べたような“無私の人々”によるパトロネージ活動を表彰するアワードが存在することをご存知でしょうか。高級万年筆などで知られるMONTBLANCによって設立された「モンブラン・ドゥ・ラ・キュルチュール – アート・パトロネージ・アワード」です。
モンブラン文化財団が主催するこのアワードは、文学、音楽、演劇、デザインなどあらゆる芸術分野において、若い才能の開花に尽力した支援者に贈られるもの。世界11カ国のモンブラン現地法人が候補者を選出し、著名な芸術家が審査員となって受賞者が選ばれます。今年で18回目を迎え、過去の受賞者にはそうそうたる人物・団体が並びます。受賞者には15000ユーロと、限定生産された万年筆が贈られますが、すべての人が賞金を自ら支援する団体などに寄付しているのも特徴です。芸術を愛する人々の地道な活動を広く世に知らしめ、そうした活動を陰ながら支えてきた意義深いアワードといえるでしょう。
そんな「モンブラン・ドゥ・ラ・キュルチュール – アート・パトロネージ・アワード」ですが、今年の日本人受賞者に選ばれたのは、歌手や女優として活躍する夏木マリさん。去る4月15日には「パーク ハイアット 東京」で授賞式が行われ、夏木さんによるサプライズ・ライブも開催されるなど楽しいイベントとなりました。
夏木さんは、1993年から劇場教育に取り組んでおり、独自のパフォーマンス技法によるワークショップを国内外で開催してきました。夏木さんのプライベートな時間を利用し、費用などもすべて負担。子どもたちとの交流を中心としたアットホームな演劇ワークショップは、様々な形で新たな舞台人の育成に貢献してきました。特に演劇の本場といえるイギリスや、かつて多くの劇作家や演出家を輩出したポーランドでのワークショップは、国際交流の観点から見ても意義深いものといえるでしょう。
夏木さんのように、地に足のついた活動を続けているパトロンたちは大勢います。そうした人々に光を当てる「モンブラン・ドゥ・ラ・キュルチュール – アート・パトロネージ・アワード」が、今後も末永く続くことを願ってやみません。
左:授賞式会場となった「パーク ハイアット 東京」には 300名以上の出席者が集まった。「シラバブ」などイギリス風の伝統的なスイーツも用意された。
右:受賞者に贈られたトロフィーとモンブランの万年筆「エリザベスⅠ世」。世界限定12本のみ生産された特別仕様で、うち11本が世界11カ国の受賞者に贈られ、 残りの1本はモンブラン ミュージアムに保存される。
モンブラン・ドゥ・ラ・キュルチュール – アート・パトロネージ・アワード
http://mb-moments.jp/
Text:Kunihiko Nonaka(OUTSIDERS Inc.)
2010/05/20
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