一見風変わりな形のぬいぐるみですが、入院している子供たちを専門にリサーチを行ってデータを集め、それをもとにフォルムを決定しています。
“ロボット”と言われて思い浮かぶのは、古くは銀色のメタリックなボディを持った、やたらに四角い形で構成されたSF映画の脇役── 最近なら、つるんとした白いボディに最先端の技術を詰め込み、ぎこちなく2足歩行するアシモ?
こうしたロボットの役目は多くの場合、人間をアシストすることにありますが、一方で愛玩型のロボットも盛んに開発されています。愛玩型ロボットには、アシ ストロボットに勝るとも劣らないミッションが課せられています。それは人の心を癒すこと。写真のちょっと風変わりな象のぬいぐるみ、実は入院中の子供たち の心を癒すために作られたロボット、「プロボ」です。
プロボは“恵まれない子供たちのための非営利団体”であるアンティ財団の創設者、イワン・ハーマンス氏が考案したもの。設計とプログラミングを行ったの は、ベルギーの首都にあるブリュッセル自由大学の学生チームです。おもなスタッフであるジェレ・サルディエン氏とクリストフ・ゴリス氏、それにジェロー ン・ヴァンデブランデ氏はプロボの開発をそれぞれの修士論文にまとめるなど、学生生活の最後を飾る、じつに有意義なプロジェクトとして締めくくっていま す。
ちなみに、プロボが象をモチーフとした架空の生物のフォルムとしているのは、犬や猫の姿形では子供たちに先入観が入って、素直なコミュニケーションがとれないから。ちなみにプロボ(Probo)とは象の祖先、ProboscideaとRobotの造語。
左写真:頭部には20個のマイクロモーターが装備され、それが「楽しい」、「退屈」、「眠い」、「怒り」などの感情を表す表情を可能にしています。右写真:表皮を剥ぐとちょっとグロテスク、しかし中身はハイテクの塊。人を癒すための技術が詰まっています。
子供たちが思わず抱きしめたくなるような柔らかな緑のボディの中には、20個の精密モーターにセンサー、タッチスクリーンが備わっています。これらによっ てプロボは表情を変えることができ、子供たちと感情的なコミュニケーションがとれるのです。さらにプロボの優れたところは、子供たちに抱きしめられたりな でられたりすることで表情を変えるのはもちろんのこと、子供の表情を読み取って、自分の表情をつくることができるという点。
子供たちにとってメカニズムや開発の背景は関係ありません。が、写真を見れば明らかなように、プロボは退屈でつらい入院生活を癒してくれる、大切な存在になっているようです。
このプロボは今後派生モデルを販売する予定があるのだそう。お相手になるのも入院中の子供たちに限らず、介護を必要とする老人など、心の癒しを求める様々な人が対象。対象に合わせてプログラムやフォルムには改良が加えられる予定なのだとか。
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