レッドブル・エアレース2008年度の優勝者、ハンネス・アルヒ。参戦者としては最も経験の浅いパイロット。しかしながら、モータースポーツや、雪山での滑走チャレンジ、スカイダイビングなど、エクストリームスポーツに長けたFaust的な男。今年41歳、未だ独身。
——試合に負けて勝負に勝つ!
この男の美学に満ちた(?)文句がこれほど似合う結末には、そうそう出会えるものではありません。その名勝負を生み出したのは、去る11月初旬にオーストラリア・パースで開催された、FaustA.G.も応援する「レッドブル・エアレース」の2008年最終戦。
Faustたちが戦闘機で体験してきたのが、F-1と肩を並べる“5G”というのに、パイロットはそれをはるかにしのぐ“12G”に耐え抜きながらタイムを競うという、ウルトラエキサイティングな飛行機レースです。
主催はご存知、“ここ一番のパフォーマンスを発揮させる”エナジードリンクとして、ビジネスマンからアスリート、はたまた受験生のお子様にもパワーを与え ているオーストリア発の「レッドブル」。世界的な富豪のレッドブル会長ディートリッヒ・マテシッツ氏の意向をもとに、「レッドブル」は近年、F1をはじめ とするエクストリームスポーツの意欲的なスポンサーとして、実業界からも注目を浴びています。スポーツ振興を始めとする社会貢献の精神は、実業家にとって “称号”や“誇り”と言えるものでしょう。
2008年度最終戦が2日間にわたって開催されたパースのスワン川沿いは、地元の人々や観光客のべ20万人以上の観戦者で埋め尽くされました。
「レッドブル・エアレース」は、2008年で4シーズン目。ハンガリーのブダペスト、ポルトガルのポルト、アラブ首長国連邦のアブダビなど、世界8か所で 競ってきた今季最終戦の舞台は、ブラックスワンの繁殖地として有名なオーストラリア・パースのスワン川。パース市民が待ちわびた開催日、川岸にはランチ ボックスやレジャーシートを持ち寄った、川面にはボートやヨット上で水着姿で観戦する住民や観光客たちが集まり大賑わい。日本もこうなったら盛り上がるの に!と思うなか、目と鼻の先をかすめるように、世界トップクラスの飛行技術を持った12名のパイロットが、技術、体力、精神力を駆使した過酷、かつ迫力の レースを展開していきます。
その場に集まった老若男女は、最高時速370km、最高重力12Gと身体耐久ギリギリの世界でタイムと技を競うスリル溢れるレースに、アドレナリンを噴出させて大興奮していました。
F1では、各チームの敵対心がヒシヒシと伝わってきますが、レッドブル・エアレース・ワールドシリーズでの参戦者はとっても仲が良いのです。正面は、「レッドブル」チーム所属のハンガリー人、ピーター・べゼネイ。母国、ドナウ川にかかる鎖橋の下を背面飛行で初めて通過したハンガリーの国民的英雄。
レースは、川面に浮かぶ高さ20mのパイロン(エアゲート)が並ぶスラローム・コースを、決められた順序と飛行方法で通過して、タイムを競って勝ち抜くノックアウト方式。
脇役ながら高度な飛行技術で盛り上げるのが、競技をする飛行機に食らいつくように飛行して撮影するレッドブルのカメラヘリ。彼らによる迫力満点の映像が地 上の大きなスクリーンにライブで映し出されます。加えてレースの合間にも、戦闘機F-18ホーネットがド迫力のエアショーで観客を魅了。轟音と共に、本番 レースもかすむばかりに飛行します。圧巻は、カンタス航空の旅客機ボーイング747による、水面ギリギリでの低空飛行と大旋廻。観衆を唖然とさせていまし た。おまけに万全のセキュリティーをかいくぐり、決戦中に川に飛び込み向こう岸まで泳いで渡ろうとした不届き者の姿がスクリーンに映し出され、観衆は大盛 り上がり、なんていうハプニングも。
当レース専門のサポートチームはオーナー出身のオーストリア人を主として約350人で結成。設営、水陸のセキュリティーチーム、VIPラウンジのメインシェフに、見目麗しい選りすぐりのホスト&ホステスたち。地元の公共機関の協力のもとに各地のビッグイベントとなっています。
そんな観客たちのド肝を抜くような最終戦は、思いもよらない展開が待ち受けていました……。
1日目。出場選手12人内8人が翌日の準決勝「スーパーエイト」に進む時点で、選手で最も経験の浅いパイロットの一人であるオーストリア人、ハンネス・アルヒが2位に9ポイントの差をつけ、早くも優勝確定。
2日目。予定通り開催された「スーパーエイト」で、ハンネスはパイロンに翼を接触させるまさかのペナルティー。その結果ハンネスは決勝戦には上がれなくなったものの、なんと3位決定戦で、第1位を獲得したポール・ボノムを上回る好成績を記録。
試合に負けて勝負に勝つとはまさにこのこと!!
ワクワク・ドキドキに満ちた「レッドブル・エアレース」。2009年も、地球中の人々に非日常の興奮と日常へのエネルギーを与えるに違いありません。
FaustA.G.では、2009年、日本人初、アジア人初のエアレースパイロットに決定した室屋義秀選手の挑戦の道筋とともに、エアレースの報告を随時行っていく予定です。乞うご期待ください!
左:「アウディ」もレースのスポンサー。パイロン(エアゲート)は、「レッドブル・エアレース」専任で雇われているドイツ出身のパイロンチームが守備。ライフガードの資格を持つイケメン&マッチョな彼らが、レース中に破れた高さ20mもの特殊生地パイロンを3分以内に再生します。
右:高速での急上昇中にパイロットに襲い掛かる“12G”。体重が12倍になるという、一歩間違えたら“ブラックアウト”(失神)するほどの重力との闘い。
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