目指すはアマゾン奥地!
「船上の5ツ星ホテル」で探検の船旅へ
目指すはアマゾン奥地!
「船上の5ツ星ホテル」で探検の船旅へ
アマゾン川はブラジルを東西に横断して大西洋に流れる全長約6,500メートルの大河。上流はペルーに位置し、ペルーの国土の60%はアマゾン川流域に該当する。
トップ写真:アクア号(12室/収容乗客24名)。船長40メートル、船幅7.3メートル、クルーズ速度10ノット。船員18名とガイド3名が乗船。各国の紙面でも紹介される「船上の5ツ星ホテル」。
イキトス(Iquitos)はペルー北東部にあり、アマゾン川や支流のマラニョン川などが流れる。首都リマからは飛行機で約1時間45分。
たっぷりと魚を食べたのだろう。飛ぶのもやっとなコウノトリの大群が、厚い雲みたいに空を埋め尽くしている。その中を、真昼の太陽のごとく黄色い鳥がスゥッと舞い上がる。アマゾン川を漂流して気付くのは、「自然界には信じられないほど多くの色が存在している」という事実。雪のように真っ白なシラサギ、ガムのようなピンク色のイルカ、毒々しいオレンジの花。まだ見たことのない色を求めて、光溢れるアマゾンの奥地を探検しようではないか。ファウスト諸氏を原始の地に導くのは、「船上の5ツ星ホテル」といわれる美しい2隻のクルーズ船だ。
ここは南米ペルーのイキトス。熱帯雨林に囲まれ、約34万の人口がありながら車で行くことはできない「陸路からアクセスが不可能な世界最大の街」だ。多くのアマゾン・ジャングルツアーがここから出発する。大抵、ツアーはアマゾン川の支流であるマラニョン川などを小型ボートで移動し、オープンエアのロッジで1~2泊。しかし、多くの人は蚊に悩まされ、温かいシャワーと衛生的な食事が恋しくなるようだ。そこで、上質を求めるファウストな皆様に紹介するのが「アクア・エクスペディション」だ。2008年より、12のスイートルームを持った客船「アクア」でラグジュアリーなリバークルーズを提供する。そして先月、よりアッパーな「アリア」も登場した。
アリア号やアクア号での冒険は実にゴージャスでワクワクするものだ。22.3㎡の客室はすべてスイートで、スクリーンサイズの大パノラマウィンドウにはアマゾン川の景色が流れて行く。もちろんエアコンやバスルームは完備。有名シェフが手掛けるダイニングルームにバーラウンジ、展望デッキ、ブティックに加え、アリア号には屋外ジャグジーやフィットネスルームも備わる。乗客32名をエスコートするのは、医師やガイドを含む32名のクルー(アリア号の場合)。乗客はボートに乗り換えて、アマゾンの奥地へと探検にでかける。そこではピラニア釣りやホエザルの群れ探しなど、たくさんのエクスカーションが待っている。
アクア号でのアマゾン川クルーズの模様をムービーで!
★YouTube「FaustA.G.チャンネル」でもご覧いただけます(スマートフォンの方 はこちらがオススメです)
2011年4月に就航したアリア号(16室/収容乗客32名)のCG。船長45メートル、船幅9メートル、クルーズ速度10ノット。船員24名とガイド4名が乗船。全室にライフジャケット完備。AEDあり。
アクア・エクスペディションのコースは3泊か4泊、もしくはその両方を足した7泊。アリア号とアクア号ではルートも出発曜日も違うので、フライトスケジュールや好みに合わせて6つのコースから選ぶことになる。また、雨季(12~5月)と乾季(6~11月)でも内容は異なる。今回は、水がたっぷりある雨季のアリア号3泊のコースを覗いてみよう(注:ツアーは天候や水位などにより変更します)。
リマのスターシェフ、ペドロ・ミゲル・スチアフィーノは、N.Y.やイタリアで学び、フランスの3ツ星レストランで修行した。アクア・エクスペディションのために監督した料理では、キャッサバやユッカを発酵させた地元のビールを使うなど、アマゾンのDNAを覗かせる。写真はワンカイーナソースを添えたエビ。ワンカイーナは、アヒ(緑唐辛子)、塩、オイル、チーズ、ハーブなどで作るペルーならではのソース。
アマゾン川には多くの支流や水路があり、水位が20メートルも変化する雨季には森の一部も水没。ボートに乗り換えてジャングルの奥地へと進路を進める。
乗船は18時。4日間を過ごす仲間やクルーとの顔合わせが終わると、ウェルカムディナーがスタート。ジャングルの奥地で乗客の胃袋を満たすのは、ペルーに美食ブームを起こしたシェフ、ペドロ・ミゲル・スチアフィーノの料理。「いかにペルー料理が変わったか、世界に知らせることのできる男」とNOBUのノブ・マツヒサにいわせた人物である。アマゾン、インカ、イタリアン、ジャパニーズなど、世界中の料理の影響を受けた彼のメニューは、決してファウスト諸氏の舌を飽きさせないだろう。しかし、明日は早いので早々にディナーは切り上げるとしよう。もし興奮して眠れないのならば、アパーデッキのラウンジで寝酒を一杯どうぞ。そこでは、真っ暗なアマゾンに輝く、満天の星空が待っている。
翌朝6時30分。川に昇る朝日と共に起床すると、スイートルームの大きな窓一面は緑の世界。映画を見ているのかと目を疑いつつ、やがて熱帯雨林の奥地に足を踏み入れたことを実感。ビュッフェスタイルの朝食を食べ、9時過ぎには小型ボートに乗り込む。さあ、最初の探検はイグアナの島と呼ばれるヤカパナ島だ。「触れれば皮膚が同化してしまう」とアマゾンの人々が信じるイグアナ。この原始の動物が目の前に現れたとき、果たして我々は触るべきか否か? それは各自の判断にお任せしよう。さらに花や動物の素晴らしい写真を撮り、牛肉を餌にピラニア・フィッシングにも挑戦。ボートは正午前にアリア号へと戻って行く。
暑い熱帯雨林の湿度は90%だ。汗まみれの乗客を、クルーたちは冷たいタオルと絞りたてのフルーツジュースで待っているだろう。シャワーを浴びて昼食を食べ、川面の昼下がりをウトウトしていると、もう次の探検の時間だ。16時からは、ヤラパ川でピンクのアマゾンカワイルカを探すのだ。そして陽が傾くころ、ジャングルは違った顔を見せ始める。奇妙な鳴き声が響く中、アリゲーターや蛙など夜ならではの生物を見つけながら帰ろうではないか。帰船したらアペリティフにはペルーのカクテル、ピスコサワーを。デッキに上がり、沈む夕日を眺めながら、ディナー前のひとときを楽しもう。
3日目は、広大なパカヤ・サミリア国立保護区を訪れる。「あらゆる国を旅してきたが、ベルギーほどの大きさのここは、世界のどこにもない場所だった」。冒険の常連も感嘆するこの地を訪れることのできる旅行者は、世界でもほんの一握り。夕暮れにいっせいに花咲く直系3メートルのオオオニバス(睡蓮)、ディナー皿の大きさもある真っ青なバタフライ、6.7メートルの木から木へ飛ぶリスザルの列、頭上の空を鮮やかに染め尽くす巨大な虹。ここでは遥か昔の地球の光景に出会える。ところで、アリア号には4艘の小型ボートが搭載され、自然科学に精通したガイドが舵を取っている。「子供時代をジャングルで過ごしました。父はアマゾンのすべてを私に教えたのです」と、ガイドのひとりのダニエルは話す。川の生活習慣、薬草、伝説、祈祷師。ガイドたちは、アマゾンのあらゆることを説明してくれるだろう。
探検の最終日、アリア号はウカヤリ川とマラニョン川が交差する辺りを静かに進む。二つの川が合流してアマゾン川になるのだから、ここはアマゾン誕生の地である。昨夜のフェアウエルディナーの酔いも覚めやらぬ朝8時30分。ボートで先住民の暮らすプエルト・ミゲル村を訪れ、彼らの生活に触れ、披露される踊りを楽しむ。「ペットよ」といって、老女がディナー皿ほどのタランチュラを見せてくれるかもしれない。ところで、アマゾン川には2,000以上の魚類、1,800以上の鳥類、250以上の哺乳類が生息するといわれている。また、ペルーの熱帯雨林では、世界最後ともいわれる非接触先住民族を確認。豊かな生態系や文化を持つこの地を守るため、アクア・エクスペディションでは、マナティー保護プログラムなど数多くのプロジェクトを実行している。だからアリア号やアクア号で奥地の村を訪れれば、ガイドが医薬品を届けたり医師が治療をしたり、または文具類を寄付したりする光景を目にするだろう。
さて、船はナウタまで戻ってきた。ナウタから出発地点のイキトスまでは陸路でやはりアマゾンの中を戻る。今回は3泊のクルーズだったが、次は航路も違う7泊のクルーズに挑戦してみようか。夕刻のリマ行きのフライトに合わせ、スタッフたちはマナティー保護センターを案内してから乗客を空港に送る。3輪バイクの音が懐かしい。そういえば、公害のないジャングルの空気は甘い香りがしていた。地球最大の熱帯雨林、アマゾン。この4日間は、「汚されていない地球最後の場所」での冒険だったのである。
AQUA EXPEDITIONS
http://www.aquaexpeditions.com
日本での連絡先:
インターナショナル・クルーズ・マーケティング(株)
TEL. 03-5405-9213
FAX. 03-5405-9214
http://www.icmjapan.co.jp
cruise@icmjapan.co.jp
ツアーの価格〈2011年シーズン〉
3泊 $2,550/$2,850(アリア号) $2,400/$2,550(アクア号)
4泊 $3,400/$3,800(アリア号) $3,200/$3,400(アクア号)
7泊 $5,950/$6,650(アリア号) $5,600/$5,950(アクア号)
※二人部屋を二人で使用した場合の一人当たりの料金
※7歳から参加可能
※乗船中のすべての食事、ソフトドリンク、アルコール(一部)、パカヤ・サミリア国立自然保護区の入場料を含む
※現地までの移動費(往復)は含まれていません。
Text:Chie Odashima
2011/06/09
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