世界自然遺産・屋久島に誕生!
大自然を全身で享受するオーベルジュ
世界自然遺産・屋久島に誕生!
大自然を全身で享受するオーベルジュ
屋久島といえば、1993年に白神山地とともに日本で最初に世界自然遺産に登録された場所。亜熱帯の島ながら、標高2000m近い山岳地帯へ近づくにつれ気候が変わり、冬、山頂周辺は2mを超える雪で閉ざされます。ひとつの島で日本列島の南から北までの気候が凝縮され、稀有な生態系が育まれている世界でも貴重な場所です。
そして、太古の森の守り神・縄文杉までの縦走登山、急峻な島を駆け下る豊富な水に戯れるリバーカヤックや沢登り、魚影の濃い黒潮の海でのダイビングなど、ファウスト的感性をくすぐるアドベンチャーが待っている島。そんな島の冒険の拠点として活用できるリゾートオーベルジュが誕生しました。
緑深い山々を背に、黒潮の海を見渡せる高台に佇む「サンカラホテル&スパ屋久島」。ここは、15歳未満は宿泊できない大人だけのリゾートです。「sankara=サンカラ」とは、サンスクリット語で「天からの恵み」という意味。その名には島に対する思いとリゾートホテルとしての決意が込められていると、代表取締役の佐藤二郎氏は語ります。
「海外の世界遺産をいろいろと巡ってきましたが、見れば見るほどその背景や、歴史を深く知りたくなり、人々は魅了されます。だからこそ、世界遺産の地としての誇りとそれを保存し受け継ぐことの大切さを、ホテルを通じて伝えていきたいのです」
そんな決意の表れが、オープンと同時に設立した『サンカラ基金』。ゲストから1回の滞在につき500円の寄付を受けた上で、年度末にホテルの年間収益から何%かを加えて自然保護団体に寄付するというものです。
さらに、スタッフ全員は屋久島に籍を移しており、まさに人生を賭けて屋久島のために取り組もうという決意が伝わってきます。その志は、24時間体制の専任バトラーサービスとして具現化されています。
「サービスの理念は“日本旅館の女将のもてなし”。スタッフ1人ひとりがベッドメーキングからコンシェルジュまで、すべてをこなせるプロフェッショナルとして教育しています。日本人ならではの細やかなホスピタリティをゆくゆくは海外へと発信していきたいのです」
約9400坪もの広大な敷地内には、4室のスイートルームとレストランやスパのある本館と、スイートルーム1室を含む25室のヴィラが点在しています。ウッドフローリングが素足に心地よい客室のバルコニーからは、視界狭しと水平線が広がる海や緑深く険しい山々など、島の大自然に全身が包まれたかのような景色が望めます。またバスアメニティは、肌に優しく自然に還る素材を使用した最上のものを佐藤氏みずからがチョイス。リゾートに精通した人々をもうならせる上質な空間と時間が用意されています。
そしてやはり、オーベルジュとして贅沢な時間を演出するのが「食」。エグゼクティブ シェフを務めるのは「レストラン・ミクニ・マルノウチ」や伊豆のオーベルジュなどで美食家を魅了してきた武井智春氏。武井氏は、ホテルのオープンにあたって、屋久島をはじめ、九州各地の農家や漁業者を訪ね歩いて食材を探してきました。放牧黒豚や無農薬野菜など、どれも目と舌で確認した自信のある食材。それを自家栽培のハーブがさらに引き立てます。
本館には2つのレストランが。1階の「ayana」は、プールやその先に広がる大海原を眺めながら旬の味覚を堪能できるカジュアルフレンチ。2階の「okas」は、シェフ独自のオリジナル料理が目の前で調理される、カウンタースタイルの本格フレンチレストラン。
「屋久島では、自然に左右されて食材がないこともあります。その不自由さがオリジナルメニューのみのスタイルをとるきっかけになりました。okasではお客様との会話をもとに、その日その日の新鮮な食材で料理を創り出していきたいと思います」と武井氏。
登山を終えたゲストには、疲れを癒やすあっさりメニューに。少食な人にはいろいろな料理を少しずつ供して……などなど。自分のためだけに作られるその日限りの美食は、滞在をさらに忘れられないものにしてくれるでしょう。
世界自然遺産の屋久島を舞台に展開される、日本人のこまやかな感性ならではのオーベルジュスタイルの自然派リゾートホテル。日本から世界へと発信する、新たなブランドとなる日が、近い将来やってくるかもしれません。
sankara hotel&spa 屋久島
鹿児島県熊毛郡屋久島町麦生字萩野上553
TEL 0997-47-3488
1室2名利用で1名(夕朝食付き)サンドラ ヴィラ25,000円~、スイート90,000円~
http://sankarahotel-spa.com
text Takayo Hirose
photo Masako Matsuoka
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