トヨタが威信をかけて生んだ
ハイスペックな究極の1台
トヨタが威信をかけて生んだ
ハイスペックな究極の1台
試乗開始からおよそ5分。高速に乗りトンネル内で前が詰まってきたので、ステアリング上のパドルで減速すると、まるでレーシングカーのようなエンジン音が辺り一面に鳴り響きました。「ナニ、いまの音?」、思わず助手席のカメラマンと目を合わせてしまうほど……。
カーボンファイバーボディを持った超軽量FRパッケージの「LFA」は、トヨタの威信をかけたクルマです。開発決定が2000年くらいにされて、昨年12月の生産開始までおよそ10年の歳月を経て完成した渾身の1台です。生産台数は500台の限定で、25ヶ月間にわたり月産20台が市場にデリバリーされているそうです。価格は3750万円。すでに完売状態だそうで、プライス相応のハイスペックにマーケットも納得と言ったところでしょうか。
今回、そのLFAを一般道で乗ることができました。市街地と高速道路というあらかじめ決められた走行コースなので、LFAのパワーを十二分に体感するわけにはいきませんでしたが、ステアリングを握る機会はないと思っていたので少々興奮気味。冒頭のシーンはそのひとコマです。
エンジンは4.8リッターV10が搭載されています。最高出力は560hpでそれを8700回転で発揮するという高回転型。アイドリング状態から9000回転までわずか0.6秒で吹き上がるというのですから、どれだけスムーズなのでしょう。ブリッピングしたときのエンジン音が瞬時にトンネルに響き渡ったときには本当に驚きました。資料によると、開発チームはエンジン音をかなり意識的にチューニングしたようです。9000回転でF1マシンと同じ高い周波数を出すとともに、そこにオクターブ音を重ねたとか。F1のノウハウがこんなところにも注入されているのはビックリです。
サスペンションはアルミ合金でつくられたダブルウィッシュボーン式。この辺は前後48:52の重量配分やカーボンボディとともにニュルブルクリンクで走行テストを繰り返してきた結果で採用されたシステムと言えます。軽量アルミ合金というだけでもビックリですが、アルミ鍛造製のナックルと中空スタビライザーを装備するのですから、バネ下重量はかなり軽くなっていることでしょう。 もちろん、フットワークのよさは高速道路でのちょっとした車線変更でもわかります。ステアリングに対し抵抗なくスッと移動する感覚は印象的。ちなみにタイヤサイズはフロントが265/35ZR20、リアが305/30/ZR20。そしてグッと止まるブレーキもなかなかの感動モノです。
では、インテリアはどうなっているかと言えば、じつはエンジン音、軽快なフットワークと同じくらいに驚きました。とりわけドライバーズシートに座った瞬間のおさまりのいいポジションと、オリジナル性の高いインパネまわりのデザインがかっこいい。ここはナニモノにも似ていないLFAだけの世界観です。
総合的に見てLFAの走りはクセのない扱いやすいものでした。強靭なストッピングパワーを備えているので、少々ラフなアクセルワークも心配ありません。ステアリングも弱アンダー傾向で、いきなりオーバーステアに転じる気配もなし。ただ、サーキット走行ではないのでその辺はなんとも断定できませんが……。 とにかく、誰もがそこそこ速く走れるのがトヨタ流。ほかの車種でエンジン音を消してきた会社がよくぞここまで……感動です。
欲をいえばスリーサイズはもうひとまわり小さくてもよかったかもしれません。全長4505×全幅1895mmはFRパッケージとしてはイマドキサイズですが、全長4400mm以下だともっとおもしろそうにも思えます。まぁ、その辺は次回を期待するということで。
全長×全幅×全高(mm) | 4505×1895×1220 |
ホイールベース(mm) | 2605 |
トレッド 前/後(mm) | 1580/1570 |
車両重量(kg) | 1480 |
乗車定員(人) | 2 |
エンジン |
型式/総排気量(cc):1LR-GUE/4,805 |
変速機 | 6速ASG |
駆動方式 | FR |
サスペンション 前/後 | ダブルウィッシュボーン/マルチリンク |
ブレーキ 前/後 | 265/35ZR20(95Y)/305/30ZR20(99Y) |
最高速度(km/h) | 325 0-100km/h |
加速(sec.) | 3.7 |
*販売台数:全世界で限定500台 |
公式ホームページ
http://www.lexus-lfa.com/
Text:Tatsuya Kushima
2011/10/20
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