ハイスペックにこだわった
新生ジャガーの領域とは?
ハイスペックにこだわった
新生ジャガーの領域とは?
自動車業界もすでに創成期から一世紀が経ち、最近は100周年を祝うブランドも少なくありません。昨年はアルファロメオ、今年はシボレーがちょうどその年に当たります。ちなみに、ガソリンエンジンの生みの親として知られるカール・ベンツとゴッドリープ・ダイムラーが関わるメルセデス・ベンツは、今年125周年だそう。
今回ご紹介するジャガーもすでにけっこうな月日を重ねたブランドです。昨年はジャガーという名称を使いはじめてから75年でしたが、ブラックプールに立ち上げたスワロー・サイドカー・カンパニーから数えると今年で89年目になります。また、代表的なモデル、ジャガーEタイプが今年で生誕50周年ということも注目されています。現行型XKシリーズに“XK E50 LIMITED”という特別限定車をリリースしたり、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでは大きなモニュメントを飾ったりと、今もファンの目を惹き付けます。
そんな中、また新たなモデルが登場しました。ジャガーXKR-Sです。
このクルマは現行XKRをさらにパワーアップしたもので、ジャガー史上もっともパワフルで力強い量産モデルです。なんたって最高出力は+40馬力アップの550馬力。最高速度も300km/hに到達し、0-60mph加速はわずか4.2秒。
と、ここでクルマ好きの方ならおわかりのように、このスペックはもはやスーパーカーレベル。フェラーリ458イタリアが570馬力、ランボルギーニ・ガヤルドが550~570馬力をラインナップすることからも、もはやその領域にいることは明白でしょう。ポルシェ・ターボSは……530馬力です。
では、なぜジャガーはこういったハイスペックモデルを提案するのでしょう。察するに、それは新世代ジャガーが熟成の領域に達したからでないかと思うのです。かのヴァンキッシュでアストンマーティンを蘇らせたデザイナー、イアン・カラムがジャガーへ移籍し、デザインディレクターとしてXK、XF、XJという3つのモデルを再編成させました。まったく新しく生まれ変わったジャガーが多くの人を魅了したのは言うまでもありません。とくにアメリカでは「ジャガー=保守的」というイメージを覆し、たくさんのファンを獲得したと聞きます。つまり、ラインナップが構築されたことで、さらなるハイスペックという領域にジャガーは突入したのです。
ジャガーは、このクルマの開発にXKRのシャシーを煮詰めることから始まりました。パワーアップされたエンジンに耐えうるためのシャシー剛性とサスペンションの再設計が主だったポイントと言えるでしょう。そして一部素材を見直しての軽量化とディフューザーやリアウィング、バンパー類といったエアロパーツが空力をより効果的にコントロールします。
先に記したイアン・カラムはこう言います。「XKR-Sのデザインはイメージからではなく、性能から生まれました」と。
実際にステアリングを握った印象は、じつに滑らかにカラダにとけ込みました。というのも、試乗はポルトガルのファロという街を起点に、一般道、フリーウェイ、ワインディング、サーキットという環境だったのですが、それぞれで異なる顔を見せたからです。一般道やフリーウェイでは快適に、ワインディングでは軽快に、サーキットではあくまでもアグレッシブにクルマを前へ進めます。とくにワインディングでは当初有り余るパワーに翻弄される部分もありましたが、すぐにジャガーネスが浮かび上がり気持ちのいいハンドリングと挙動でドライバーを酔わせてくれます。
とくに気に入ったのは音。甲高いフェラーリサウンドとは別の低音から鳴り響いて行く感じが出色。いうなればちょっぴりオールドスクールなレーシングカー。この辺もかなりこだわってつくられたと思われます。
この他ではインテリアもハイクオリティな仕上がり。カーボンとレザーを上手に組み合わせたところは、まさに大人のレーシングカーといった趣きです。ブルーのボディカラーにはブルーのシートステッチが入るのもさりげなくておしゃれ。
XKR-Sの日本でのお披露目はもう少々待たなくてはなりません。12月の東京モーターショーがその機会になる予定。ご興味のある方は是非その目でご確認を。バランスのとれたFRスポーツのスタイリングに目を奪われるに違いありません。ジャガーファンならずともブースの前に立ちすくむカーガイたちの驚いた顔が今から目に浮かびます。
エンジン種類 | V型8気筒+スーパーチャージャー |
排気量 | 5000cc |
レイアウト | フロントエンジン後輪駆動 |
最高出力 | 405kW(550ps) |
最大トルク | 680N・m |
圧縮費 | 9.5:1 |
変速機 | パドルシフト付き6速AT |
ディメンション | 全長4794×全幅1892×全高1312mm |
ブレーキ | ベンチレーティドディスク(カーボンセラミックデスク/オプション) |
ホイールベース | 2752mm |
車両重量 | 1753kg |
乗車定員 | 4名 |
価格 | 未定 |
ジャガーコール (土・日・祝除く 9:00-18:00)
Tel: 0120-050-689
http://www.jaguar.com/jp/ja/
Text:Tatsuya Kushima
Photos:Jaguar Land Rover Japan
2011/09/01
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