懐かしさを纏った新型911には
アグレッシブな疾走感が湧き出ている
懐かしさを纏った新型911には
アグレッシブな疾走感が湧き出ている
ポルシェの勢いが止まらない。初のハイブリット車、カイエンSハイブリッドも話題だが、じつは王道911のラインナップもいま続々発表されている。とりわけ昨年秋にパリでデビューした〈カレラGTS〉の存在感は唯一無二、見る者を圧倒していた。
クルマ好きにとってポルシェの動向は気になるところ。2009年は4ドアサルーンのパナメーラを日本導入し、2010年はSUVのカイエンをフルモデルチェンジさせました。今月からは初のハイブリット車、カイエンSハイブリッドも納車スタート。さらにコンパクトSUVをリリースするといった話も現実的になりつつあります。それを含めポルシェは2015年までに年間15万台生産を目指すそうです。
となると、本丸である911シリーズはどうなっているのか、という疑問がわきます。すでに997型もマイナーチェンジから数年が経ち、次期911も噂されています。
そんなことが関係するのかわかりませんが、いま911のラインナップはこの上なく増殖中です。2010年9月のパリオートサロンでは新たに〈カレラGTS〉と同カブリオレ、スピードスターが発表され、日本でもすでに翌月から予約注文がはじまりました。
では、カレラGTS とはいったいどんなクルマなのでしょう。特徴はまずエンジンにあります。3.8リッター水平対向ユニットは最高出 408psを発揮します。これは385psのカレラSに対し23psアップされたと同時に435psの911GT3から27psマイナスとなります。そして駆動方式は4WDではなくRWD(リア・ホイール・ドライブ/後輪駆動)。つまり、ともに後輪駆動であるカレラSとGT3の間を埋めるといったポジションとなるわけです。
そしてそのカレラGTSをカリフォルニアはパームスプリングスでテストドライブしました。2010年の昨年はアメリカにおけるポルシェ上陸60周年。そんな意味合いもあって、メディア向け国際試乗会がこの地で開かれたのです。
いきなりですが、そのドライブフィールから伝えると、カレラGTSはかなりアグレッシブに仕立てられていました。400馬力オーバーの心臓は力強く、どこまでも加速するといった感じです。しかも、低回転からでもユニットがしっかり上までまわるのですから驚くばかり。リニアな加速フィールを実感します。4000回転からのエンジンサウンド&エキゾーストノートもレーシーに仕上げられていました。心躍る味付けです。この辺はライバルを意識したとも言えるでしょう。
ただ、こうなってくるとワインディングを攻めるのに少々”腕”も必要となってきます。4WD ならまだしもRWDですから、挙動は少々トリッキーです。なので、手探りにならざるを得ない場面もチラホラ。タイトコーナーでクルリなんてのはかっこ悪いですからね。まぁ、現実にはその前に電子デバイスがしっかり働いてくれることでしょうが……。
ちなみに、385psのカレラS用ユニットとの違いはおもに吸気系にあります。樹脂製のインテークマニュホールドがカレラGTSではアルミ製に置き換わっていました。そして、その中には 6枚の負圧制御式チューニングフラップが組み込まれます。カレラSのフラップが1枚であることからも、新たに各シリンダーに装着されたことがおわかりいただけるでしょう。結果、パワーの数値とトルクの出方が変わり、カレラSよりもより低い回転域からトルクを発生させることに成功しました。
エクステリアではRR(リアエンジン/リアドライブ)でありながらカレラ4系と同じ44mワイドなボディが用意されます。グラマラスな後ろ姿は迫力満点。左右のテールライトをつなぐリアガーニッシュがないワイドボディはこのクルマの特徴といえるでしょう。 また、ホイールもカレラGTSの魅力のひとつ。ブラック塗装のセンターロック式19インチは、フランジがハイグロスフィニッシュされることでイマドキ感を演出します。デザインはレトロで配色がモダンという組み合わせですね。このホイールはそもそもがオプションなので他のモデルでも履くことができますが、相性はカレラGTSといいようです。
インテリアはシートに特徴があり、カレラGTSのシートは運転席も助手席もスポーツシートが装備されていました。ホールド製の高さはいうにおよびません。また、センター部分がブラックのアルカンターラで仕上げられているのですが、このクルマはレーシーな趣を出すため各部にそれを配置しています。ステアリングやシフトレバー、サイドブレーキレバーなど直接的に触れる部分は人工皮革のアルカンターラが貼られます。
さて、気になるお値段ですが、クーペが 1604万円で、カブリオレが1852万円というタグが付きました。決してお安いものではありませんが、内容から考えればリーズナブルかもしれません。RWDのワイドボディはオンリーワンですし、408psのパワーも魅力です。販売は前述したように予約が昨年10月から始まっています。まずはすでに予約された方の分から配車が始まると思われます。トランスミッションはクーペ、カブリオレとも7速PDKのみ、ステアリング位置は左右から選べます。
シリンダー数 | 6 |
排気量 | 3,799cc |
レイアウト | リアエンジン後輪駆動 |
最高出力(EEC) | 300kW (408PS) |
最大トルク(EEC) | 420N・m |
発生回転数 | 4,200-5,600rpm |
圧縮比 | 12.5 : 1 |
最高速度 | 304km/h 0 - 100km/h 加速:4.4秒、80 - 120km/h加速:2.6秒 |
変速 | 7速PDK |
全長 | 4,435mm/全幅:1,850mm/全高:1,300mm |
ホイールベース | 2,350mm |
空気抵抗係数(Cd) | CD=0.30 |
燃料タンク容量 | 67ℓ(右ハンドル車:66ℓ) |
価格 | クーペ:1604万円、カブリオレ:1852万円 |
ポルシェ公式サイト
http://www.porsche.co.jp
Text: Tatsuya Kushima
2011/02/17
地球最高の冒険者〈ファウスト〉たちを讃えよ! サイバードグループ・プレゼンツ「ファウストA.G.アワード 2015」開催概要
バトンが紡いだ未知なる40キロへの挑戦 中川有司 株式会社ユニオンゲートグループ 代表取締役&グループCEO / 株式会社セルツリミテッド 代表取締役
「至上の瞬間は、あらゆる時に訪れる」 G.H.MUMMの静かなる挑戦 ディディエ・マリオッティ G.H.マム セラーマスター
ネクタイを外したときに試される 男のカジュアルスタイルの極意とは ファウストラウンジ第10弾 「男の嗜み 〜ファウスト的 スタイリングの極意〜」