白鳥のようにエレガントなクルーザー
新登場フェレッティ620が放つ煌き
白鳥のようにエレガントなクルーザー
新登場フェレッティ620が放つ煌き
淡いブラウンのチークが張り巡らされた後部デッキ、その柔らかな色調に同調するかのようにトーンコントロールされたサロンと内装の明るい演出など、快適な船内はまさに“フローティング・ヴィラ”そのもの。
イタリアの高級ボートブランドの代表格と言えば、紛れもなくフェレッティ。東の地中海、アドリア海に生誕の地、カトリカがあります。この地でノルベルト・フェレッティと故アレッサンドロ兄弟が1968年、モーターセーラーをデビューさせました。その後のサクセスを経て、リーバやパーシング、バートラムなど、8つのボートブランドを傘下に収めたのが、フェレッティグループです。
そして、いまから2年前、カンヌ国際ボートショー最高の栄誉となるWorld Yachts Trophiesにおいて、「Trophee de la Fonctionnalite 2008」に選ばれたのは「フェレッティ(以下F)592」でした。その衝撃と興奮も冷めやらぬまま、F592の後継モデル「F620」が昨年9月のジェノバ・ボートショーでデビュー。エレガントなフォルムと斬新なインテリアが話題になったのは記憶に新しいところです。
フェレッティのフィロソフィは「イノベーショナル・シートイ」。つまり海を徹底して遊ぶことをテーマに設計され、既成概念にとらわれない自由な発想が随所に見られます。
全長18.77m、全幅5.25mのF620、その白磁の肌を思わせる白い外観の船体は、気品に満ち溢れています。側面のワイドウインドウは、繊細かつ斬新なスタイリング。サロンエンドのピラーから延びるアイライン、ウインドウのキャラクターラインにはエレガントさが潜むよう。また、低重心なイメージの象徴として、低いレーダータワーをフライブリッジ後端に置き、スポーティなフォルムを作り上げています。これらはいずれも「スタジオZUCCONインターナショナル・プロジェクト」が担当した刺激的なデザインワーク。
さらに60フィートのフロントウインドウにはシングルガラスを大胆に採用。また自由な設計はギャレー、つまりキッチンルームの位置にも現れています。従来ならサロンの前方奥にあるキッチンルームが、F620では後部に配置。後部デッキからサロンに入ってすぐ右に広いキッチンがあるレイアウトなのです。デッキとサロンを隔てるチルトウインドウを跳ね上げればキッチンのバーカウンターが現れ、ホテルのプールサイドバーのようにドリンクやフィンガーフードのサーブが受けられます。それは、まるでニューヨークスタイル。デッキパーティだけでなく、ひと泳ぎしてボートに上がり温水シャワーを軽く浴び、素足のままチークの貼られたデッキへ。そしてシャンパンという機能的な設えも魅力です。(右:上段写真)
サロンは両サイドのウインドウに、ワイドなシングルガラスのフロント。採光がたっぷりと取られ、明るさのなかに研ぎ澄まされた上質な雰囲気が漂っています。ファニチャーとトリムにはブリーチドオークが使われ、淡いブラウンとマルーンのトーンコントロールが施されています。向き合った真っ白いソファーセットは、イタリアのハイエッジなデザインホテルを思わせる居心地。
オーナーズルームのシービューウインドウも斬新です。「いかにゴージャスでも、窓がなかったり、小さなウブロ(丸窓)だけでは開放感どころか閉塞感で息が詰まってしまいそう。だったら水面が見えるように大きな窓を開けよう!」 これがフェレッティグループの総帥ノルベルト・フェレッティの発想でした。こうして、ガラスの強度、水密の強化、さまざまな課題をクリアして、魅惑のシービューウインドウが誕生しました。いまや世界の大型サロンクルーザーには、その窓があるかどうかがトレンドになっているほど。(下段:左写真)
F620では、さらに革新的にと、ゲストルームの窓も大型化して、開閉可能なウブロを追加。ちなみにステートルームは3箇所用意され、オーナー用のメインステートは船体いっぱいに広がるスペースを保っています。こちらもブリーチドオークのトーンコントロールが施され、モダンな上質感を演出。もちろんそれぞれの部屋には専用のシャワールームとトイレ&パウダールームを設置。(下段:右写真)
そして、オープンテラスを思わせる2階のフライブリッジも新鮮なレイアウト。後部にコの字型をしたソファを持ち、バーベキューテーブル&シンクに冷蔵庫も当然用意されています。右舷中央の操船席の前には全面に日焼け用のサンベッドがあり、プライベートな日光浴のスペースにも使えます。また、この操船席には普段はポップアップコンソールが隠れています。インスツールメントパネルにはアナログ表示のエンジンモニターやGPS&レーダーモニターなどの航海計器を機能的にレイアウト。この船のオフィシャルデーターは最高速32ノット、ソフトなライド感が特徴です。軽やかなステアリングは切込みからリニアに反応し、まるでスポーツボートのように快適な運動性能。サイズを感じさせない軽快さが心地良いことでしょう。停船中にはアンチロール機構、三菱製ジャイロが横揺れをほとんど解消してくれますから船に弱いゲストには心強い装備です。(右:下段写真)
抑制の効いたデザインに、キリリとした仕立てのF620。そこには、まさに洗練の極みがあり、この趣きこそがフェレッティを「地中海の貴婦人」とまで言わせしめる。世界の一部の人にだけが体験できる、至上の時間。輝く海と光に照らされた“フローティング・ヴィラ”で、この夏を先取りしませんか?
サロンの左舷前方にヘルムステーションがある。スポーツタイプのハイバックシートがキャプテンに用意される。その前方にはハイドロ+電動アシストのパワーステアリング。インスツールメントパネルには航海計器が整然と。レイマリンの12インチGPSプロッターやレーダー・モニター、デジタル表示でエンジン回転計やさまざまなデータ表示も可能なモニターが並ぶ。左右のエンジンのシンクロ機能を持つZFのスロットル&クラッチレバーが存在感を見せる。フロントウインドウは曲面を持つ広大な1枚ガラス。ヘルム位置からの視界は極めて良好。
フライブリッジのヘルムはカーブと曲面でデザインされたアクチュエイターによるポップアップ式コンソールを持つ。レイマリンのGPSプロッター&レーダー・モニターを中心にその右には左右のエンジンモニターがアナログ表示で配置。センターには深度計、水温計、スピード計のトリプルメーターに大きなラダーアングル計がセットされる。テーブルのエポキシガラス下にはフラップやアンカー、ホーン等のトルグスイッチがある。左右のエンジンのシンクロ機能を持つZFのスロットル&クラッチレバーがバウスラスターレバーとともに存在感を見せる。ヘルムシートは2人がけのベンチタイプが採用されている。
明るく開放感溢れるサロンは淡いブリーチドオークとマルーンのブラウンにトーンコントロールされ、気品とカジュアルを融合。いわば重厚感というそれまでのサロンが持っていた重い鎧のイメージを脱ぎ捨てた勢いだ。マキシボート並みのスペースを持つギャレーはサロン後端に位置し、障子状のサイドウオールは電動で格納できる。アフトデッキからもサロンからも使い勝手のいいレイアウト。もちろん大型冷蔵庫、シンク、4バーナコンロ、電子レンジ&グリル、デッシュウオッシャーとキッチン設備はロングクルーズにも万全。バーカウンターとしてのみならず朝のモーニングに始まりランチ、ディナーまでその気になればいつでも対応可能だ。
船の幅いっぱいに広がるオーナーズステートルームは明るいゆとりに溢れている。左右のシービューウインドウが充分な光と煌く海水面を見せてくれるからだ。もちろんゴージャスなキングサイズベッドにロングクルーズに対応するためのウォークインクローゼットを採用しているため、オーナーはリゾートウエア以外のドレスコードにも十分に対応できるだろう。さらに専用のパウダールームをセンターに両舷にシャワールームとトイレスペースを離して用意している。こことほぼ同じ設えがバウのVIPステートと右舷の2ベッドのゲストステートにも採用。もちろんそれぞれ専用のシャワー&パウダースペースをもつ。
全長 | 18.77m |
全幅 | 5.25m |
全高 | 5.28m |
総トン数 | 37.5トン |
燃料タンク容量 | 3,700L |
清水タンク容量 | 530L |
搭載エンジン | 2×MAN V8-900(オプション2×MAN V-10-1100) (MAN製V10コモンレールディーゼルターボエンジン1100ps2基はアフトデッキ下に納まり、Vドライブ方式でZFマリンギアを介してプロペラにその駆動が伝えられる。1100rpm11.1ノット、1200rpm12.0ノット。1600rpm18.2ノット。ほんの5秒でターボ領域に入るとともにプレーニングが始まり船速が急激にあがる。豪快な加速が続く。1900rpm28.0ノット、2200rpm32.2ノット、2330rpm34.3ノット。オフィシャルデーターは最高速32ノット) |
問い合せ:テクノマーレインターナショナル株式会社
TEL:048-878-6806 FAX:048-878-6807
www.tecnomare-yachts.co.jp
Text:Kenji Yamazaki
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