牙を隠した550馬力2WD
ランボルギーニ・ガヤルドの快感
牙を隠した550馬力2WD
ランボルギーニ・ガヤルドの快感
ランボルギーニの名声を作り上げたことで知られるテストドライバー、バレンティーノ・バルボー二。2009年に発売された彼の名を冠した250台の限定車「バレンティーノ・バルボー二ガヤルド」の成功は、ランボルギーニ本社のあるサンタアガタの首脳人たちに粋な決断を迫りました。
彼らは、かつてのスーパーカー、「LP400」や「カウンタック」を軽量な後輪駆動のガヤルドにイメージを重ね、550psを制御するドライビング技量を持った新たなファンをターゲットに、「LP550−2」を誕生させたのです。
このクルマは、ランボルギーニのエントリーモデルとしても注目度が高く、昨年5月にマレーシアセパンサーキットでデビュー。以後、北京、上海、ドバイ、日本、オーストラリアと、アジアのマーケットを中心に発表&試乗会を開催。その大胆かつインプレッシブなやり方が話題となり、日本では昨年11月、袖ヶ浦フォレストレースウエイを舞台に試乗会が行われました。
試乗当日はインストラクターが同乗し、レッドゾーンの約半分4000回転までエンジンを回してOKという制限付き。筆者は内心それだけではこのクルマのいいところが分らない、と思いながらも気にせずアクセルペダルを踏みこみました。
コースインして、まず最初に感じたのがコクピットを包み込むビブラート。「管楽器の澄んだサウンドとエンジンの軽やかさ」「eギアのパドルシフトにより5000回転で繋ぎ2速から3速へ」「想像より踏力を必要とするブレーキ」、それらの初期制動を確認しつつ、次第にコースとのバランスを身に付けていきます。
事前の説明では、ロック率45%のリアデフとESPが再チューニングされ、サスペンション、ダンパー、スタビライザーも同様に専用チューンが施されたとのこと。また、コースの繋がりがブラインドばかりなので、先を予測しないといけないのも難儀。3速全開、前輪から感じるステアリングは軽く、またリアへのトラクションのかかり方はダイレクトで4WDと遜色なし。ときにフルタイム4WDガヤルドグループよりも姿勢変化があって、ドライビングも楽しく、また丁寧に減速し、一気に加速など、まるでライトウエイトなミドスポーツカーの味わい。同じ550pの6LV12気筒のデアブロに比べると、その違いは明らかです。
「LP550−2」とは、まさに素直でイージーなクルマ。それは進化した新しい「ミッドシップ・ランボルギーニ」の誕生と言えるのではないでしょうか。
ただいずれも全域をスポーツモードで走行した場合の話。ついついアグレッシブにさせてくれるドライビングマシンであるがゆえ、もちろん過信は禁物です。ミドシップ・ランボルギーニには、まだ未知の荒削りな何かが隠されているかもしれません。
それは日常のビジネスシーンから危険な冒険まで、どこかに牙を隠しながらあくまで飄々と生き抜く現代人の姿にも似ています。趣味にビジネスにアグレッシブで粋な達人、「LP550−2」とは、まさにファウストのスピリットにもフィットするスーパースポーツカーかもしれません。
ボディサイズ | 全長4345×全幅1900×全高1165mm ホイルーベース2560mm |
車両重量 | 1380kg |
エンジン | 90度V型10気筒DOHC 総排気量:5204cc |
最高出力 | 404kw(550ps)/8000rpm |
最大トルク | 540Nm(55.1kgm)/6500rpm |
トランスミッション | 6速eギア/6速MT |
駆動方式 | MR ステアリング:パワーアシスト付きラック&ピ二オン |
サスペンション | F&Rダブルウイッシュボーン |
ブレーキ | ベンチレーティドディスク(カーボンセラミックデスク/オプション) |
タイア&ホイール | F235/35ZR19&8.5J R295/30ZR19&11.0J 0→100km3.9秒、最高速度:320km/h |
車両本体価格 | 6速eギアセミAT仕様¥24,081,750、MT仕様¥23,031,750。 |
問い合わせ:ランボルギーニカスタマーセンター
TEL:0120-988-889
http://www.lamborghini.co.jp/
Text:Kenji Yamazaki
2011/01/13
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