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スパもジムも備えた、銀河のスイートルーム!?
宇宙リゾート計画が進行中
 

ロシアの宇宙飛行士ガガーリンが、人類初の宇宙飛行を成功してから半世紀近く。アメリカのソ連の冷戦時代には、国家の威信を掛けた競争へと発展した宇宙開発ですが、現在では民間人による宇宙旅行も現実のものとなり、数々のベンチャー企業が宇宙ビジネスの実現に向けて、研究・開発にしのぎを削っているのは周知の通り。

「ギャラクティック・スイート」社を率いるザビエル・クララムント氏。世界最大の宇宙リゾート・チェーンを構築し、宇宙旅行をだれもが可能なものとすることが、最終的な目的だ。
トップ写真:5つの部屋がつながっている宇宙ホテル「スペース・リゾート」。ガラス窓からは、宇宙の眺めが堪能できる。

ホテルのなかには、フィットネスルームやスパも!

そのなかで、よりラグジュアリーなリゾート地としての宇宙開発を目ざしているユニークな会社があります。それがスペインの宇宙旅行会社「ギャラクティック・スイート」社。“銀河スイート”というのは、なんともロマンを誘う社名です。経営するのは、バルセロナを拠点に活躍する建築家ザビエル・クララムント氏とマルサール・ギフラ氏。2012年末からの運営をめざして2007年に会社を設立し、2008年にはすでに宇宙旅行の販売をスタート! 計画への自信の表れといえるでしょう。

それでは、彼らの描く宇宙リゾート旅行の概要をみてみましょう。旅行者はまず、カリブ海の島に設置されたスペース・ポート(宇宙港)で、16週間にわたる出発前の訓練を受講。無重力空間に適応するための身体的、そして精神的な訓練が行われます。そしてスペース・シップ(宇宙船)に乗り込み、高度450kmにある宇宙ホテル「スペース・リゾート」に3日間宿泊。このホテルは分子のような形をしており、80分で地球を一周。滞在中は毎日、15回の日の出を観測できるとのこと。そして地球に帰還後は、再びカリブ海の島で2週間のリカバリー訓練が行われます。

このホテルは、3つのリビング、レクリエーション、食事などが行われる、5つの部屋に分かれています。驚くべきはレクリエーション・スペースで、ランニングマシンなどエクササイズ機器が設置されているほか、なんと浴室もあります。クララムント氏いわく、「無重力環境で浴室をつくることが、もっとも大きな挑戦のひとつ」だとか。研究の結果生まれたのは、直径2mの球体の中に水を入れ、その中に人間が入って楽しむというスタイル。究極のスパを、宇宙空間で体験できるのです。

気になる旅行代金は、1人あたり300万ユーロ(2010年4月現在:約3億7000万円)。旅行者の自宅とカリブ海の島までの往復移動費、訓練費、宇宙ホテルへの飛行と帰還、宿泊費が含まれています。前後の訓練を合わせると、5カ月近い日数が必要となりますが、現在までに43人が予約しているそうです。

「宇宙ビジネスは、経済の発展と地球の繁栄、さらには、宇宙のスペースをシェアしあうことで、平和のためにも貢献できると信じている」と、「ギャラクティック・スイート」社は主張します。一時は実現が疑問視された時期もありましたが、某富豪から資金提供を受け、実現に向けて進んでいる模様。目標とする2012年は目の前に迫っています。壮大な計画の行方を、さらに追っていきたいものです。

カリブ海に浮かぶ島に設置されるスペース・ポート(宇宙港)は、総面積10万㎡におよぶ。リラックスした南国で、トレーニングが行われる。
450kmのかなたにある宇宙ホテルへと運んでくれるスペース・シップ(宇宙船)。ダブルハイブリッド・ロケットエンジンを搭載し、4人の乗客と2人のパイロットが乗船可能。

Data

Galactic Suite Ltd.
http://www.galacticsuite.com/
 

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