HOME > SENSE > SENSE > フランク・ロイド・ライトからタージ・マハルまで……。レゴのブロックで、世界の有名建築を学べ！

フランク・ロイド・ライトからタージ・マハルまで……。
レゴのブロックで、世界の有名建築を学べ！

赤や黄、白、青といった鮮やかなブロックを組み立てて遊ぶおもちゃといえば、「レゴ」。懐かしく幼少時代を思い出す方も多いでしょう。しかし、世界中に存在するレゴ愛好者は、子供にとどまりません。なかにはレゴを使って、時計やカメラ、エアコン、さらにはパソコンまでつくってしまう人がいるほど！　フランス人のプレタポルテのデザイナー、ジャン＝シャルル・カステルバジャックは、レゴをモチーフにしたコレクションも発表。彼がデザインした服を着たレゴの人形たちがファッション・ショーを繰り広げるという、ユーモアたっぷりのビデオまで製作していました。

ユネスコ世界遺産にも登録されているインドの「タージ・マハル」。5900以上ものピースを使って、細部を表現。（高さ51cm、幅41cm）

さて、昨年からレゴ社が10歳以上～大人に向けて提案している新シリーズをご存知でしょうか？　世界の有名建造物をレゴで組み立てる「レゴ・アーキテクチャー」です。「ランドマーク（高層建築）シリーズ」など6アイテムでスタートして、今年5月、「建築家シリーズ」を発表。第一弾は、帝国ホテルの設計で知られるアメリカ人建築家フランク・ロイド・ライトのコレクションで、ニューヨークの「グッゲンハイム美術館」（39.99ドル）、ペンシルバニア州ピッチバーグ郊外の滝の真上に建てられた「カウフマン邸」（99.99ドル）の2セットが、発売されました。この「建築家シリーズ」は、いずれも16歳以上が対象です。

一方、「ランドマーク・シリーズ」は4アイテム。ニューヨークの「エンパイア・ステート・ビルディング」、シカゴにある「ジョン・ハンコック・センター」、シアトルの「スペース・ニードル」、シアトルにあるアメリカで最も高い「シアーズ・タワー（現在ウィリス・タワー）」（いずれも19.99ドル）があります。こちらのシリーズは10歳からとなっています。

モデルの製作は、建築家アダム・リード・タッカー氏が主宰するブリックストラクチャー社が担当。「フランク・ロイド・ライト・コレクション」のためには、レゴ社が数年をかけてフランク・ロイド・ライト財団と交渉し、ライセンス契約を締結。今後も、さらに違う建築家や高層ビルのシリーズを企画するそうです。「レゴ・アーキテクチャー」担当ディレクターは、「単なるおもちゃとしてだけでなく、教育や建築の目的にも使ってもらえるだろう」とコメント。もちろん建築のプロや学生には物足りないでしょうが、同シリーズで楽しみながら建築家を夢見る子供たちも現れるかもしれません（なお、「レゴ・アーキテクチャー」は、このブリックストラクチャー社のサイトから購入可能です）。

ちなみに、「アーキテクチャー･シリーズ」ではありませんがファウスト会員の皆さまにぜひご紹介したい驚くべきアイテムもあります。それが14歳以上を対象につくられた「タージ・マハル」（299.99ドル）。幅51cm、高さ41cmという大きさのうえ、構成するピースが5922個というレゴ社史上最大を誇り、入手が難しい商品のひとつです。

2003年には経営危機に陥ったレゴ社ですが、このように新たな世界を開拓しながら、元気を盛り返しているようです。デンマーク語で「よく遊べ」を意味するleg godtが語源だというレゴとともに、大いに遊び、大いに学び続けたいものです。

落水荘（英語名Fallingwater）とも呼ばれるカウフマン邸。アメリカのデパート「カウフマンズ」の経営者エドガー・カウフマンの別荘で、1936年に着工、1937年末に竣工。1963年から一般公開されている。「シリーズのなかでは、もっともダイナミックな動きを表現したかった」と、アダム・リード・タッカー氏。（幅25.6cm）